獄中で不明薬物投与か 人権派弁護士の妻が助けもとめる=中国

中国で「国家政権転覆罪」で服役中の人権派弁護士、江天勇 (エ テンユウ)氏(47)の妻は28日、ソーシャルメディアで、夫が刑務所で不明薬物を強制投与され健康状態が著しく悪化しているとして、夫の早期釈放をめざす国際社会による支援を懇願した。

河南省出身の江氏は、同省第二監獄に収容されている。米国に渡った夫人、金変玲(キン ヘンレイ)さんのSNS投稿によると、最近江氏と面会した親族の話では、江氏は顔色が悪く目が虚ろになり、言語と行動能力が著しく低下、娘の年齢も覚えていないほど重度の記憶障害がみられている。本人の話では、看守が高血圧や心臓病の治療薬と称して毎日江氏に薬物の摂取を強制している。

夫人は、江氏は心臓病や高血圧などの持病がなく、いたって健康体だったとして、強制投与されているのは、体や精神を破壊する薬物ではないかと疑っている。投稿では、中国政府に対して夫の釈放を求めるよう国際社会の助けを呼びかけている。

江氏は長らく中国当局による人権迫害の被害者を支援してきた。輸血によるエイズ大規模感染の被害者、奴隷工問題の被害者、人権派弁護士仲間で米国に渡った陳光誠氏や高智晟氏ら、気功団体・法輪功の愛好者などの代理人を務めていた。

2015年7月9日前後に300人以上の人権派弁護士・活動家がいっせいに逮捕・拘束された「709事件」で、江氏もそのうちの一人。2017年11月、国家政権転覆罪で懲役2年の有罪判決を受け、2019年2月に刑期満了の予定。

709事件の当事者から、獄中で不明薬物を強制摂取させられ、記憶障害など体の不調が生じているといった証言が多数あった。

 
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