【動画ニュース】中国当局 2人目のカナダ人拘束ファーウェイCFO逮捕への報復?

国際シンクタンク国際危機グループ(ICG)が12月11日、同グループ所属で、カナダの元外交官のマイケル・コブリグ氏が中国で拘束されたことを明らかにしました。

コブリグ氏のSNSは12月9日を最後に、更新が止まっています。コブリグ氏は、かつて外交官として北京と香港に滞在したことがあり、中国に批判的な報告を多く発表しています。

カナダのトルドー首相は、「極めて深刻に受け止めている」と述べ、外交ルートを通じて中国側と直接連絡をとっているとのことです。

ニューヨーク大学訪問学者  滕彪氏

「カナダの元外交官が拘束されたことで、孟晩舟事件を連想する。中国共産党政府と外交部が何度もカナダへの報復をほのめかしたから」

雑誌「北京の春」編集長 胡平氏

カナダ元外交官が法を犯したかどうかは、わかっていない。しかも非常に疑わしい。中国は法律は不透明なところが多いから、疑わざるを得ない」

カナダ司法省は12月1日、アメリカの要請に応じ、ファーウェイの最高財務責任者、孟晩舟氏を逮捕しました。アメリカ司法省によると、ファーウェイの子会社であるスカイコム(SkyCom)が金融制裁対象のイランとの不正取引をした疑いがあることが明らかになりました。孟氏はアメリカの金融機関にスカイコムとファーウェイとの関係を隠蔽し、イランとの不正取引で1億ドルを手にしました。ニューヨーク連邦地検は、不正取引に孟氏が関与したと見ており、カナダ当局から身柄の引き渡しを受け、詐欺容疑などで立件する方針です。

ニューヨーク大学訪問学者  滕彪氏

「孟晩舟の逮捕や聴聞会は、カナダの独立した司法部門が行っている」

雑誌「北京の春」編集長 胡平氏

「今の所孟晩舟とその弁護士は批判や抗議をしていない。カナダ当局が正しいとわかっているから」

孟氏の逮捕後、中国外交部の楽玉成(らく ぎょくせい)副部長は8日、カナダ駐中国大使を呼び出し、孟氏を直ちに釈放するよう求めた上で、そうしなければ重大な結果を招くだろうと強調しました。

雑誌「北京の春」編集長 胡平氏

「カナダを脅迫することはできないだろう。カナダは米国同様、三権分立している。司法部門の決定に行政部門は干渉できない。トルドー首相がこの件に干渉することはできない。中国共産党がこのようなことをしても、目的は達成できない。国際社会にその横暴ぶりを晒すだけだ」

ニューヨーク大学訪問学者  滕彪氏

「中国共産党にとって、司法の独立は理解できないことだ。政府が司法部門の代わりに決定を下してもいいと思っている」

孟晩舟氏は現地時間11日に保釈されました。1000万カナダドル、日本円でおよそ8億4千万円の保釈金と、GPS付きの電子タグを常に足首に装着することなど16項目の条件付きで、保釈が許可されました。

一方、元外交官の他に、新たにカナダ人のマイケル・スペイバー氏が中国で拘束されたことが明らかになりました。スペイバー氏は、中国の遼寧省丹東市(たんとうし)を拠点とするビジネスマンで、北朝鮮との文化交流を手掛けていたといいます。スペイバー氏のツイッターは、12月9日で更新が止まっています。

中国遼寧省政府サイトによると、スペイバー氏は中国の安全保障を脅かした疑いで、10日から丹東市当局の調査を受けているとのことです。

中国の官製メディアは、コブリグ氏もスペイバー氏と同じ疑いで調査を受けていると報じています。

中国当局は現段階ではコブリグ氏の拘束と孟氏の逮捕を関連付けていませんが、カナダの外交専門家は、これら2件が関連していることに疑いの余地はないとの見方を示しています。

 
関連記事