【動画ニュース】伝統と人心を蹂躙する火葬強制政策 「火葬しなければクビになる」

ここ数年で、中国国内では度を越した土葬取り締まりが行われるようになり、いくつかの地方政府は墓を掘り起こして棺桶を取り壊し、遺体を強制的に取り上げて焼却するといった暴挙に出ています。死者の埋葬を伝統的に重んじてきた中国社会で、この火葬強制政策への憤りが高まっています。

中国当局は昨年、江西省全域で「火葬運動」を推進しましたが、現地住民と世論から強い反発を受け、現在では同地域では火葬が強制されなくなりました。しかし貴州省では、江西省で実施された「墓を暴いて骨を取り上げる」といった暴挙が踏襲され、火葬が強力に推進されています。黔南(けんなん)プイ族ミャオ族自治州の都イン市では、住民らが火葬に強く抵抗し、警察との衝突も発生しました。

プイ族、ミャオ族、スイ族、マオナン族、ヤオ族など33の少数民族が暮らす都イン市は人口約50万人、黔南(けんなん)プイ族ミャオ族自治州の州政府が所在する県級市で、貴州省の省都貴陽市から146キロの場所に位置しています。

貴州省の少数民族の多くが僻地に住み、独自の生活環境を保っているため、彼らの生活は伝統文化を色濃くとどめており、葬儀の様式も例外ではありません。

大紀元時報の取材によると、現地では少数民族の風習にのっとり土葬が一般的です。住民らは自身が所有する土地の中から、風水師に墓所(はかしょ)を選んでもらって土葬するという伝統的な埋葬方式を重視しており、火葬は非常に受け入れがたいものです。

貴州省畢節市(ひっせつ-し)の人権活動家、徐さんは、彼らの居住地域ではその他の地域よりも早くから火葬が強制されてきたと語り、当局のなりふり構わぬ手段を指摘しました。

貴州省畢節市の人権活動家 徐さん

「私たちの風俗風習は土葬だ。だが(公務員が火葬に同意しなかった場合は)解雇される。もしこっそり土葬したら、政府は墓を掘り返すだろう」

首都師範大学教育学部の元副教授、李元華(り・げんか)さんは、中国人は死者が埋葬されることで極楽往生できるという思想を非常に重んじる民族だと指摘しています。よって、身内が亡くなったときには手厚く葬って自身の祖先を敬うのです。こうした価値観は、世代を通じて連綿と継承されてきました。

首都師範大学教育学部の元副教授、李元華氏

「孔子は論語の中で、『慎終追遠(終わりを慎み、遠きを追う)』について論じている。終わりを慎むとは、人が死んだらその終わりを慎み、遠きを追うとは、自分の祖先に思いをはせるという意味だ。つまり孔子は、文化の継承について論じている」

台湾の精神健康基金フォーラムの前招集者で心理教育学の博士、陳彦玲(ちん・げんれい)さんは、「こうした少数民族は適当に穴を掘って埋めているわけではなく、作法に従い丁寧に埋葬している。彼らには神への信仰心があり、山には山の神がいて、木には木の魂が宿り、先祖には先祖の魂があって子孫を守ってくれていると考えている。だから軽々しく火葬に変えることなどできない」と語っています。

台湾の精神健康基金フォーラムの前招集者 陳彦玲氏

「よって、彼らが死者を埋葬する際には、彼らの集落の中から風水によって墓所を選ぶという手順を非常に大切にしている。だから彼らは信仰心が非常に厚く、彼らの祖先となる遺体を葬るときには、伝統を伝えるこうした儀式も存在する」

陳さんは中国共産党が神を否定していることを挙げ、当局は精神性を高めることに意義を見出しておらず、歴史や文化の継承も軽んじていると指摘します。また中国共産党は物質的な豊かさだけを追求し、人間の存在価値を生産性だけで判断していると糾弾し、中華民族が5000年をかけて継承してきた伝統文化は、たった10年間の文化大革命で破壊されつくしてしまったと述べます。

台湾の精神健康基金フォーラムの前招集者 陳彦玲氏

「死者を尊ぶという価値観の伝承や、先祖への感謝の気持ちがいったん途絶えてしまったら、その民族の根は絶えてしまうだろう。だから現地住民が(火葬の強制に)反対するのは当然だ」

李元華さんは、当局は現地の風習を顧みずに棺桶をあばいて遺体を強制的に火葬しているが、この行為は中国共産党の暴力的本質が露呈したものだと考えています。さらに一部の政府職員が業績を上げるために火葬の強制などを行っていることを挙げ、これも実際には、政府機関の中で彼らが出世する方法を反映したものだと分析し、政府は伝統文化を全く尊重していないと指摘します。

首都師範大学教育学部の元副教授、李元華氏

「伝統文化が破壊された後のこれらの人々が、文化について何とも思っていないからこそ、こうした暴力的な政策に打って出ることができるだろう」

あるネットユーザーは当局の暴力的な火葬強制政策について、「生きている間は搾り取り、死んでからも安らかに眠らせないのが盗賊のやり口だ。墓を暴くのを考古学だと言っている。墓地の強制売買は無秩序な埋葬を取り締まるためか?」とのコメントを残しています。

中国の伝統文化では、死者は墓に埋葬されることで慰められるという教えが根強く、儒教における礼に関する三つの経書『三礼(さんらい。周礼、儀礼、礼記からなる)』でも葬儀に関する作法がかなりの部分を占めています。葬儀の重視は中国人が血脈を維持するための土台であり、人々が伝統文化を連綿と継承するための重要な象徴を重視することでもあります。死者を弔(とむら)うことはそれらの前提なのです。

 
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