【チャイナ・アンセンサード】超高層ビルが林立する中国 その裏側にあるものとは

今回の話題は中国は空に向かって伸びている!

このきらびやかな超高層ビルを見てください!

何か恐ろしく不都合な所なんて、あるはずがないですよね…

チャイナ・アンセンサードへようこそ。キャスターのクリス・チャペルです。

中国は高層ビルの建設が大好きです。金持ちと貧乏人の間にある大きな格差こそが、共産主義のユートピアを雄弁していますからね。

中国は今や高層ビル建築において、世界をリードしています。

15年ほど前から、主に住居用とする10~30階建てビルの建設ラッシュが中国の1~3級都市で始まったのです。しかし近年では高層ビルの建築は天井知らずどころか、雲も突き抜けるほど大増加。

高層ビル・都市居住協議会によると、ここ10年間、 中国は毎年どの国よりも多くの高層ビルを建築。もうどうにも止められないのです!

2018年の時点で、世界で最も高い10の建物の内、その半数が中国にありました。中でも上海タワーは、ドバイの「ミッション・インポッシブル」ビルに続く世界第2位の高さを誇ります。

上海タワーと呼ばれるこの超高層ビルの場所は…まあ、名前からすぐ分かるよね。

恐ろしいサウロンの目に似ているのは、まったくの偶然です。サウロンの塔と上海タワーには別の類似点もあります。

どちらも遠くからは素晴らしく見えますが、実際に住みたいと思う人はあまりいません。

Financial Review は上海タワーを「55階分も空っぽのゴーストタワー」と呼んでいます。

なぜなら、お披露目されてから2年未満で借り手が付いたオフィススペースは約6割程度です。4年経っても占有率はまだ8割、しかも多国籍企業から相手にされていません。CNBCによると、上海タワーの悲惨な稼働率は中国の不動産市場におけるより広範な問題を反映しています。

建築したからと言って、借り手がやって来るという意味ではありません。

「中国の多くの都市ではしばらくは 空室率がかなり高いままでしょう」。上海タワーの代理店の1つでオフィス賃貸担当アニー・ジャンはこう言います。

しかし、単に不動産開発業の数社が潰れてしまうより、更に深刻な危機が迫っているのです。

「バブル論:はじける前に金融バブルを見抜く」の著者である Vikram Mansharaman によると、「超高層ビルの建築は投資バブルと強い相関関係にある」

彼が過去の傾向を分析して得られた結論は高層ビルの建築が「長期に渡る最も強いバブル指標の一つ」である。

特に、超高層ビルの建築なら尚更。中国は既に世界の超高層ビルの半数を所有しており、その更なる建築の野望に衰えを見せていません。

上海タワーを凌駕する深圳香港国際センターの建築は既に始まっています。

「バブル論」の著者は「世界で最も高い高層ビルは傲慢な自信過剰の表れであり、バブル状態の見事な指標でもあります」

好ましいバブルではありません。

「中国負債の万里の長城」著者のDinny McMahonは「中国当局は 国有銀行から借金しまくって、桁外れの巨大なバブルを膨らませた」

「全国の地方政府は地方経済の活性化と刺激を果たすため、より多くのインフラを建築したり、不動産市場に活を入れたりしてきた」

でも、こういう成長モデルは長続きができそうもないので、可能な限り長続きさせるために、魅力的なご褒美が用意されているのです。

このような建築は一般的に縁故主義の産物、投資家、建造業者、その他の関係者は皆そこから利益を得る「インサイダー」

カラオケや旨い茅台酒と同じように腐敗した中国の役人は、それも簡単に手放さないものです。

しかし、縁故資本主義と悪い投資に目をつぶることができたとしても、中国の建築ブームには
見過ごせない重大な問題があります。それは手抜き工事。

安物模造品で有名な国ですから、あえて驚きもしないでしょう。偽のクラスト歯磨き粉から任天堂ポリステ―ションまで。もちろん子供たちが大好きなおもちゃ、ロバート・コップも。

建築も、ご多分に漏れず、安物品質の本場なのです。

例えば、瀋陽市のこの建物。建物の一部が…剥がれ落ちています。また上海にあるこのビルは、ある日突然ばったり倒壊。

あのビルのマンションを買わないで良かったよ。

今のところ、このような惨事は、中国の超高層ビルで まだ起こっていないけれど、手抜き工事は中国全土で大きな問題となっています。

 
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