【動画ニュース】広東の警察 唾液サンプル採集 DNAデータベース構築のためか

中国当局はビッグデータの収集に血液、声紋、指紋などを採集してきましたが、このほど、一般市民の唾液サンプルまで採集しているのがわかりました。近日、広東省仏山(ぶつざん)市のバスターミナルで、警察が乗客の唾液を大量に採集していたことが明らかになりました。

近年、中国共産党当局は新疆地区で人体の各種生体情報を大規模採集しています。ウイグル人を政治的に抑えるために始まったこのことは現在、中国のほかに地域にも広がりを見せています。

ラジオ・フリー・アジアの報道によると、8月5日午前、広東省仏山市の南海丹灶(たんそう)バスターミナルで、警察は乗客の身分証明書を検査すると同時に、綿棒で乗客の唾液を採取していたとのことです。

このことは世論の関心を集め、警察は唾液のサンプルを採集し、DNAデータベースを構築しているのではないかとの懸念を引き起こしています。

バスターミナルの職員は、検査は非常に厳しく、警察官がターミナル内で乗客の一人一人から唾液サンプルを採集しており、麻薬の検査をしていると伝えました。

北京の人権活動家 胡佳さん
「唾液サンプルの採集が麻薬と何の関係があるか、全く理解できない。以前エイズ関係のボランティアをしていた時に、麻薬を吸う人たちと接触したことがあるが、唾液サンプルを採集するというのは初耳だ」

広東省仏山市南海区の丹灶警察署の警官は、警官による唾液サンプルの採集は主に、強盗などの犯罪行為の予防のためであり、採集は上からの命令だと示しました。

いっぽう、唾液サンプル採取キットの販売会社「深圳市華晨陽科技有限公司」の職員は、警察が乗客の唾液サンプルを採集するのは伝染病の検査のためで、主にDNA鑑定に用いられると話しています。

深セン市華晨陽科技有限公司職員
「親子鑑定や疾病のスクリーニング検査、病院の法医学など、どこでも使う。採血、唾液、口腔細胞から採取することができるが、採血は傷が残り、唾液や口腔からの採取は無傷だからだ」

報道によると、丹灶警察署は2016年の時点で「顔認証システム」の調達広告を出していました。唾液サンプル採取キットの調達広告は今の所、見当たりません。

米国の生化学博士研究員、陳力(ちん・りき)さんは、唾液サンプルをDNA鑑定に用いるのはコストがかかるうえ、量的にも足りない可能性があり、採集目的は経費を騙し取ること以外、考えられないと述べます。

在米生化学博士研究員 陳力さん
「警察にもっぱらこのプロジェクトを行うための財力と物力があるとは思えない。だから具体的にどこに使うのかは思いつかない」

北京の人権活動家、胡佳(こ・か)さんは、たとえ新疆であっても、唾液サンプルの採集は聞いたことがないといいます。なぜなら警察にとってDNA採集はいとも簡単なことで、身体検査の採血の時に採集できるからだと述べます。

北京の人権活動家 胡佳さん
「顔認証システムは各地で使われている。顔情報の収集はいたって簡単だ。人が監視区域に入るだけで、静止画でも動画でも、顔に数百の点が表示されるが、本人は何もわかっていない。本人の事前同意無しに、生体指標を採集する」

米国在住の法学者、滕彪(とう・ひょう)さんは、唾液サンプル採集のことから、新疆式の監視モデルがすでに中国全体に広がっていることがわかると述べます。中国共産党当局は犯罪者への打撃の名目で、個人のプライバシーを憚ることなく侵害し、コントロールしていると指摘します。

近年、中国共産党は新疆でウイグル人に対し、顔認証システムやDNAの大規模採集を含む、全面的な監視と統制を実施しています。5月上旬、米国は中国共産党が新疆で100万から300万人のウイグル人を集中キャンプに収容している可能性があると非難しました。

早くも2016年6月、新疆の昌吉市(しょうきつし)に住む「権利運動」の発起人、胡軍(こ・ぐん)さんは、警察署に連れて行かれ、採血、指紋、声紋、顔情報、筆跡などを採取されました。

胡さんによると、当局からいわゆる「敏感人物」と指定された人権活動家や陳情者、法輪功学習者もこれらの生体情報を採集されています。採集の目的については、当局は何の説明もしていないといいます。

2017年、国際人権組織「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は報告書を発表し、中国の警察部門が個人のDNAを採集し、全国規模のデータベースを構築しているが、監督や透明性が欠如し、国民のプライバシーを保障する独立した司法システムが欠如していると指摘しました。

 
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