中国の新型肺炎患者数300人超に 武漢市民「当局は情報隠蔽している」

中国の新型肺炎の感染者が増え続けています。21日の発表では、中国全土の患者数は300人を超え、武漢市の死亡者は6人に増えました。一方、武漢市民は当局はまだ感染情報を隠蔽しており、実際の状況はもっとひどいと語っています。

当局は20日、武漢の新型肺炎は18日と19日の二日間だけで136人の感染が確認されたと発表しましたが、21日にはさらに72人が感染しました。中には病院関係者も含まれています。広東省で働いている武漢市民の周さんは、当局が武漢市の実際の状況を隠蔽しているため、多くの武漢市民が旧正月の帰省をためらっていると語っています。

武漢市民 周さん
「私の実家は武漢にあるが、多くの人が帰省をためらっている。発症者があまりにも多く、隠しきれなくなったから、認めただけだ。だが、まだ隠している。病院はどこも患者でいっぱいで、すでに深刻な状況になっている。周辺都市も怯えており、ここ広州でもみなマスクをしているし、予防薬品を備えている。正月は伝統的な祭日なので、移動を禁止しない限り、もう予防は無理だろう。移動禁止も不可能なことだ」

武漢市民の余さんは、現在の武漢市の状況から2002年のSARSの蔓延を思い出すと述べます。当時も政府が感染情報をずっと隠蔽していたため、感染拡大に拍車がかかったといいます。

武漢市民 余さん
「武漢は重点的な感染地域で、一人一人の命に関わることなので心配だ。政府は大型のイベントを取り消し、人が集まる場所も閉鎖している。今は人が移動する時期なので、武漢にいる人はなるべく外部に行かないようにし、旧正月の帰省もできるだけ控える。外部の人はできるだけ武漢に行かないようにしたほうがいい」

中国のSARS研究第一人者で、呼吸器疾病の専門家鍾南山(しょうなんざん)氏は、新型コロナウイルスによる肺炎は「ヒトからヒトへの感染が確認された」と明言し、帰省客でひしめく長距離列車内では感染リスクがさらに増加すると指摘しています。

北京で陳情中の武漢市民 黄さん
「私は武漢に帰らない。心配なのは感染だけではない。市民は何の保障もないし、政府は責任を負わない。我々は生きるのも大変だ。予防にも条件がある。我々は衣食すら保障がない」

中国国家衛生健康委員会は21日午前0時までに、新型肺炎の患者数は291人に達したと発表しました。その後、各省が個別に新たな患者数を発表しました。これらを加えると、中国国内の患者数は300人を超えています。また、武漢市の死亡者は6人に増え、医療関係者15人の感染も発表されました。

 
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