ウイルス蔓延に苦しむスペインと中共との関係性

スペインは現在、中共肺炎罹患者の数が世界で4番目に多く、欧州では2番目となっており、感染拡大に歯止めがかからない状況です。スペインと中共の密接な関係が、この感染拡大に関連しているのではないかと指摘する声があります。

3月28日、スペインの中共ウイルス感染者数は6万4059人、死亡者数は4858人で、致死率は7.5%に達しています。首相夫人が感染したことも報じられ、同国では13日から非常事態宣言が出されました。

スペインの感染者数は爆発的に増え、死者数はイタリアに次いで世界2番目となりました。様々な原因があると思われますが、中共との深いかかわりが改めて注目を浴びています。

1973年に中共と国交を樹立したスペインは、1989年の天安門事件のあとに欧州諸国で初めて中国に外相を派遣した国でもあります。

またスペインは、EUから中国への武器禁輸措置を解除させようとしたこともあります。

2008年の世界金融危機の際に、スペインは大きな痛手を被りました。中共はスペイン国債を継続的に購入し、2011年4月になると、中共の保有量は12%に達し、中国はスペインの世界2番目の債権国となりました。

2005年に中国とスペインは全面的戦略パートナーシップを確立しました。2018年には改めて「共同声明」に署名して一帯一路を推進し、欧州とのインフラ計画を提唱しました。

中国とスペインの関係は年を追うごとに深まっていると言えます。

米国在住の時事評論家、田園さんは、西側諸国が中共の一帯一路の推進に難色を示したが、イタリアとスペインで突破口を見つけたと指摘しています。

米国在住の時事評論家、田園氏
「2017年にスペインの首相は一帯一路国際協力サミットフォーラムに参加した。この時、欧州から出席した国家元首は非常に少なかったが、スペインの首相は自発的に出席した」

スペインは最終的に中共の金銭外交に屈服し、欧州への一帯一路を積極的に推進するようになりました。

2019年末までに中国とスペインの間で29もの姉妹都市提携が行われました。

スペインには現在、孔子学院8か所、孔子教室8か所とその下部教室2か所が設立されています。

スペインにとって中国は、欧州連合を除く最大の貿易相手国でもあります。昨年10月までにスペインは中国に対し累計で2574もの投資プロジェクトを行っており、700社以上が中国に進出しています。

昨年6月にスペインのボーダフォンが立ち上げた国内初の5G商用モバイルネットワークに使用された核心設備のサプライヤーは、ファーウェイです。ファーウェイの海外最大の旗艦店も、今回の中共ウイルス流行地であるスペインの首都マドリードにオープンしました。

さらに、世界五大通信事業者の一つ、スペインのテレフォニカは、スペインやドイツなどの4Gネットワークを完全にファーウェイの設備に依存しています。5Gネットワークにおいてファーウェイの技術の使用は大幅に減ってはいますが、この企業は今も継続的にファーウェイの無線周波数とアンテナを購入しています。

米国在住の時事評論家、田園氏
「5Gネットワークにおいて、ファーウェイは中共が海外で戦うための最前線に立つ兵士だ。ある国の主要ネットワークにファーウェイの技術や設備がひとたび使用されたら、その国の通信はすべて中共とファーウェイに監視される可能性が高い。しかしスペインは非常に変わった国で、テレフォニカは自社にファーウェイの技術を採用したいと公に述べている」

スペインと中共は文化面でも密接に連携しています。

昨年1月、スペインの王立歌劇場、テアトロ・レアルで予定されていた、米国に拠点を置き中国伝統文化を伝える神韻芸術団の公演が強制的にキャンセルされました。中共の呂凡(ろ・ぼん)大使は人権団体「法輪功迫害を調査追及する国際組織(追査国際)」が行った電話調査の中で、自ら歌劇場に対し圧力をかけ、公演契約をキャンセルさせたと明かしています。

スペインはさらに、中共のために法律の改正も行っています。2014年3月、スペインは、裁判官の権力を制限する新たな法律を短期間のうちに可決させ、6月にはスペイン最高裁判所が、中共元高官が関与した事件に関する司法調査2件を取り下げました。

スペインの左翼政党も中共を賛美しています。スペイン社会労働党の党首は昨年、中国共産党会議に出席した際に、中共は貧困から脱出するために多大な努力を払ったと称賛し、「初心を忘れない」教育活動をもっと行うべきだと述べました。

またスペイン社会労働者党は昨年9月、中共代表団をスペインに招きました。新首相に就任したペドロ・サンチェス首相はスペイン社会労働者党書記長でもあります。

田園さんは、こうした背景がスペインで中共ウイルスが蔓延した理由だと指摘しています。

米国在住の時事評論家、田園氏
「近頃ネット上に一帯一路の地図がアップされているが、これは武漢肺炎の発症地図とかなりの割合で重なっている。この流行が去った後、これらの国が自国と中共が結託する過程においてどれだけ金銭的利益が得られたとしても、それが非常にもろいものだということに気づいてほしい」

中共にすり寄ると感染の蔓延が深刻化する理由について、米国の心理学研究者、陳彦玲(ちん・げんれい)さんは、これは共産党の本質から考えるべきだと述べています。共産党にとって最も重要な政治綱領『共産党宣言』の冒頭には、共産主義の幽霊が欧州をさまよっていると記されています。

米国の心理学研究者、陳彦玲氏
「イデオロギーは行動を導く。よって我々が共産党のイデオロギーを理解すれば、なぜそれが世界に多くの災いをもたらすのかが理解できる。このイデオロギーの背後には幽霊がいる。幽霊とは中国医学でいうところの邪気、悪魔のことだ。このような生命体が操っている。共産党と一体感を持つものは誰でも、この悪魔に取り憑かれる」

陳彦玲さんは、中共に近づくと、個人だけでなく、国家であっても、その健康と社会の健全さは間違いなく悪化に向かうと述べています。

 
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