「習近平の顔に墨をかけた女性」再度精神病院に監禁

中国で習近平主席の宣伝ポスターに墨をかけたことで精神病院に監禁されていた董瑤瓊さんが、1年後に釈放されましたが、半年後に再度精神病院に入れられていたことが明らかになりました。

中国の人権情報を伝えるウェブサイト「維権網」によると、董瑤瓊(とうようけい)さんの父親が近日、娘の近況を伝えました。董瑤瓊さんは今年5月に再度精神病院に強制連行され、2か月間監禁されました。釈放された時は痴呆状態が以前よりも酷くなり、反応が鈍いだけでなく、失禁しても着替えることすら知らないほど、うすのろ状態になっているといいます。夜中に突然叫び声をあげることもあり、特に雨が降り雷が鳴ると狂ったように叫び出し、誰も近寄れない状態だといいます。董瑤瓊さんの父親は、今後も精神病院に入れられる可能性があるので、娘の状況を注目してほしいと社会に呼びかけています。

父親の董建彪(とう・けんひょう)さんによると、娘は今年5月に再度株洲(しゅしゅう)の精神病院(株洲第3医院)に入れられていましたが、現在は実家の母親の元に戻ったものの、地元政府の監視は続いているといいます。

董瑤瓊さんの父親 董建彪さん
「娘はあの第三医院から実家に戻ったが、泣いたりするので、(精神病院での)薬のせいだと思う。政府に他の病院に行って検査を受けたいと申し出ても、許可されない」

反体制派や陳情者、宗教信者などを精神病院に監禁し、不明薬物を投与するのは中共による迫害の常套手段です。法輪功の迫害情報を伝える明慧ネットが発表した報告書「明慧20年報告」によると、中共当局は法輪功学習者に修煉を放棄させるために、健康で正常な学習者を精神病院に監禁し、殴打、電気ショック、不明薬物投与などの手段で迫害し、多くの学習者が聴力や視力、記録力を失い、精神が崩壊し、身体に障害が残っています。さらには植物人間になり、死亡に至ったケースも多く報告されています。

董建彪さんによると、今年1月2日に娘と会った時にはすでに別人のように変わっており、元々明るくハキハキしていた娘は、精神状態が不安定で、ぼっとしていたといいます。

董瑤瓊さんの父親 董建彪さん
「病院で精神薬を強制的に投与されたと思う。娘は毎日朦朧としていて、意思疎通はできるものの、昔と比べると、全く変わっている。何かあるとすごく怖がっている」

今年31歳の董瑤瓊さんは元々上海の不動産仲介会社の職員でした。2018年7月4日、上海の海航ビルの前で習近平主席の宣伝ポスターに墨をかける様子をSNSでライブ放送することで、当局の抑圧や洗脳に抗議を示しました。その後、「国家指導者への攻撃」だとして湖南省株洲市の精神病院に1年以上監禁されていましたが、2019年11月19日に釈放され、母親の元に送られていました。

 

 
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