米台関係がさらに緊密に 米諜報指揮官が非公式に台湾訪問

米国と台湾の交流が活発化しています。このほど米軍インド太平洋司令部の諜報指揮官が密かに台湾を訪問したと報じられました。国家安全保障問題担当の大統領補佐官オブライエン氏は、米国が中共の侵略行為に対応するために頼るのは、強大な軍事力と同盟国との関係だと述べています。

米国政府高官を乗せた専用機が22日夜、台北松山空港(タイペイソンシャンくうこう)に到着しました。ロイターはある消息筋の話として、今回訪台した高官の中には、米国インド太平洋司令部「J2」諜報司令官のマイケル・ウイリアム・スタッドマン少佐の姿もあったと伝えています。

現在、米国防総省はこの件に対するコメントを拒否しています。11月23日、中華民国総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は、米国高官の訪台は米国側の「台湾旅行法」を具体的に実践したものだととらえています。その一方で彼は、外交部報道官と同様に、日程が公にされていないため、詳細についての発表は控えるとも述べています。行政院の蘇貞昌(そ ていしょう)院長も慎重な受け答えに終始しました。

行政院の蘇貞昌院長
「米国の多くの高官が相次いで訪台している。多くのことを準備する必要があり、準備ができたら国民に報告する」

中共外交部の趙立堅報道官は、米国と台湾の交流と軍事交流に対し、一貫して反対する姿勢を表明しており、同時に中共軍の戦闘機も再度台湾の防空識別圏に侵入しました。

専門家は、訪台したのが米軍諜報高官に間違いないのであれば、明確なメッセージが送られるはずだと考えています。

Asian Military Affairs at the International Assessment and Strategy Centerのシニアフェロー、リチャード・フィッシャー氏
「この動きは、日増しにアップグレードする中共軍の脅威に対抗するため、米国と台湾の軍事・情報協力を強化するものだ」

今年に入り、少なくとも中共軍の戦闘機276機が台湾西南部の防空識別圏に侵入しており、中華民国の厳徳発国防部長はこのほど、「これは中共が南シナ海防空識別圏を構築するために配置しているのだ」と述べています。

中共の侵略と拡大について、フィリピンを訪問中のオブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、中共に脅威を与える最も良い方法は、強大な米国と同盟国との強大な同盟関係だと述べています。

オブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官
「誰も戦争を望んでいない。我々は中共と戦争したいとは思っていない。我々が望んでいるのは中共がルールを守ることだ。だが中国の現状は過激になる一方で、他者に対しますます(規則に合わない)主張をするようになっている。中共国に脅威を与える最もよい方法は、より強大な米国と米国の軍事力、そしてフィリピンや日本、台湾、オーストラリアといった同盟国との強大な同盟関係だ」

トランプ政権のインド太平洋戦略は地域の自由と開放の保障、公海と公空の自由な往来です。

米国務省は11月3日、台湾に対しが海軍バージョンのMQ-9B無人機4機を売却することに同意したと発表しました。これは中共が台湾西南部に与えている脅威のバランスを取るための重りの一つだと考えられています。

 
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