【弾劾裁判を振り返る】裁判2日目:新たな証拠提示なし

TRIAL DAY 2: NO NEW EVIDENCE OF INCITEMENT

弾劾裁判の2日目が終了しました。幾人かの上院議員は下院議員の証言が衝撃的だったと言い、前大統領をこき下ろしています。共和党幹部の一人は、「納得していない」と述べました。

2月10日の口頭弁論では、下院民主党弾劾管理人からの新たな証拠は提示されませんでした。主に前大統領のツイートや公式声明に焦点を絞りつつ、首席弾劾の管理人ジェイミー・ラスキン氏は「事実に基づいた審理」を行うべきだと主張しました。ところが彼の挙げた事実の一つは真実ではないことが判明しました。

ユタ州上院議員 / マイク・リー
「弾劾管理人がさきほど私の声明として挙げたものは私が行った声明ではない。不正確であり、事実に反している。裁判規則第16条に従って記録から削除していただく」

下院弾劾チームはメディアからの誤った情報を引用し、それを弁論で使用したのでした。弾劾管理人ジェイミー・ラスキン氏は新聞社のミスを非難し、誤った声明の取り下げに同意しました。

民主党弾劾管理人/ジェイミー・ラスキン
「シスリー氏は新聞記事を正しく正確に引用したのだが、その記事に対して今上院議員先生から異議が提出されたので、私たちは喜んでこの証拠を取り下げる」
この証拠が真実ではないからだ。

弾劾管理人チームはトランプ氏が支持者の暴力を扇動しようと長い間謀略をめぐらしており、選挙への異議申し立ては事前計画の一環だったと主張しています。この推論を補強すべく同チームはトランプ氏の演説のビデオクリップを見せ、「戦い」、「ストップ・ザ・スティール」等の言葉を証拠として掲げました。

しかし同チームは議事堂事件当日のトランプ氏の演説全体は見せず、ビデオの重要な文脈も示しませんでした。また同チームはトランプ氏が支持者に向かって「平和裏に」かつ「愛国心をもって」と声を届けようと語った場面も省きました。共和党上院議員リサ・マカルスキー氏の考えによれば、弾劾管理人チームはこの方法で十分な論証を固めています。

アラスカ州上院議員(共)/リサ・マカルスキー
「証拠はこれまでに提示されただけで、もう十分決定的だ」

チームが描いたストーリーに依拠して、同氏は、トランプ氏が再選されることは二度とないだろうと述べています。民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、弾劾管理人チームのプレゼンを「衝撃的」と評し、強く心に響いたと述べています。

ですが弾劾管理人チームの弁論から抜け落ちている情報が一つあります。同チームはトランプ氏が1月6日より前に、1万人の部隊をワシントンD.C.に配備するよう繰り返し要請していた事実に言及していません。

前大統領首席補佐官マーク・メドーズ氏はトランプ大統領の申し出が繰り返し退けられたと語りました。共和党のリンゼー・グラム上院議員はトランプ氏が無罪になるとの見通しを語っています。トランプ氏と話をしたグラム氏は、トランプ氏に苛ついた様子は見られなかったとも述べています。

グラム氏は「この件はもう片が付いた。今は最後の無罪判決に至る過程にすぎない」とトランプ氏に告げたと言います。

NTD Japan

 
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