米中会談冒頭でブリンケン国務長官と楊潔篪政委が舌戦 

米中政府高官による2日間の会談が終了しました。会談初日、ブリンケン米国務長官は中共が世界を脅かしていると真っ向から非難し、台湾や香港の問題についても言及しました。これに対し中国の楊潔篪(よう・けつち)政治局委員は、米国の発言を「内政干渉」と批判したうえ、予定されていた発言時間を大幅に上回る15分もの間、中国語で発言し続けました。また米中代表は記者団の前で、いつ記者を退出させるかについても論争しました。

アラスカ現地時間の3月18日午後、ブリンケン米国務長官とサリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、アラスカのアンカレジで中共の楊潔篪政治局委員と王毅外相との会談を行いました。

ブリンケン米国務長官(2021.3.18)
「我々はさらに、我々が中共の行動に深い懸念を抱いていることについても言及するつもりだ。これには新疆、香港、台湾における行動、米国に対するサイバー攻撃、我々の同盟国に対する経済的脅迫が含まれる」

ブリンケン国務長官は会談の冒頭で、新疆ウイグル自治区、香港、台湾に対する中共の行為にはっきりと言及し、中共が世界の安定を脅かしていると直接的に指摘しました。

ブリンケン米国務長官(2021.3.18)
「その行動の一つ一つが、世界の安定の維持や規則に基づく秩序を脅かし得る。だからこそそれらは実際には内部的な問題ではないし、我々が今日ここで、これらの問題を提起する義務があると感じているのはそういうわけだ」

またロイターは、今回のようなトップ会談では、取材を伴う冒頭の発言は通常は数分間だが、今回は1時間以上に及んだうえ、米中代表団が報道陣の目の前で、いつ記者を退場させるかについて論争したと指摘しました。

サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官(2021.3.18)
「我々は今日の対話を期待している。だが私は、今回の対話は互いが自信をもって行うことを希望している。よってこれは、演説でもなければ回りくどい陳述でもない」

米国政府のある高官はメディアに対し、米中会談の前に、冒頭の発言は2分程度という話になっていたが、最終的には1時間を超えたと吐露しました。この高官は中国側の代表が、大袈裟な発言に大衆の関心を集中させ、スタンドプレーを狙っており、これは外交礼儀に反するものだと批判しました。

米中高官会談はアラスカ州アンカレジで1泊2日の日程で開かれ、この期間中3回の会談を行い、19日に終了しました。米国務省が公開した予定表に記されている楊潔篪氏と王毅氏の肩書はいずれも「CCP中国共産党」となっていました。

 
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