中国広東省仏山市の企業で数千人によるストライキ発生【禁聞】

中国広東省佛山(ぶつざん)市の南華金属宝石工芸有限公司で3月18日と19日、従業員数千人によるストライキが発生しました。会社側による長期にわたる社会保険料の未納に加え、昨年からは給料も減らされ、生活するのもままならないため、従業員の怒りが爆発しました。地元当局が鎮圧に乗り出し、従業員数十人が拘束されました。

3月18日午後6時頃、佛山市の南華金属宝石工芸公司の工場前に続々と従業員が集まりました。人数は当初の百人あまりから2〜3千人に増え、ストライキで会社に抗議しました。地元政府は当日夜に大量の警察を出動させ、70台以上の警察車両を現場に集結させました。

19日午前10時頃、警官隊数百人が、ストライキに参加した従業員を逮捕し始め、数十人が大型バスに乗せられ連行されました。

広東省佛山市南華金属宝石工芸公司の従業員 林さん
「30~50人ほど逮捕された。警官隊は4〜5百人は来ていたはずだ。特殊警察や治安警察の他に会社側に雇われた警備員、佛山市南海区から派遣された特殊警察もいた」

ネット上に投稿された動画には、大勢の特殊警察が列を作って、ストライキ中の従業員を退散させる様子が映っています。

警察
「1分以内に直ちに退散せよ。さもないと警察が強制的に連行する」

市民
「警察が人を殴っている!」「なぜ人を逮捕するのか?」

広東省佛山市南華金属宝石工芸公司の従業員 林さん
「警察は周辺店舗や街頭の監視カメラの映像を全て削除し、現場の市民が撮った動画も全部強制的に削除した」

従業員によると、この会社には現在4千〜5千人が在籍しており、10年以上勤続の従業員が殆どだといいます。昨年の疫病の流行と米中貿易戦争の影響で、輸出中心のこの会社は経営難に陥りました。従業員の勤務日は週3日に減らされ、その給料では基本的な生活費を賄うことしかできなくなっていました。

従業員の給料はもともと勤務時間で計算していたのが、今年に入ってから、出来高制に変更されたため、以前は4〜5千元(約6〜8万円)あった給料が2〜3千元(約3〜5万円)に減らされてしまいました。残業代もアルバイトと同額しか支給されず、多くの従業員は生計を立てるため、アルバイトの掛け持ちを余儀なくされているといいます。

また、従業員たちは入社時期が勝手に変更された契約書にサインさせられたといいます。さらに、今回のストライキの引き金となったのが長期にわたる社会保険料の未納で、従業員たちはその未納分を補うよう会社に求めています。

広東省佛山市南華金属宝石工芸公司の従業員 林さん
「様々なルートを試みた。地方政府や町役場にも訴えたが、どこも無視している。従業員は追い詰められて仕方なく抗議している」「全て自発的で組織者もリーダーもいない、ただ突然工場に向かって歩き自然に集まったのだ」

従業員の林(りん)さんによると、南華公司は家族経営の企業で、社長は出張で不在だったため、社長の妹が問題解決のため、マネージャー二人を抗議現場に送りました。しかし、この二人は生産量を増やすために就業時間中のトイレを使用禁止にしたこともあり、従業員の怒りが爆発しました。

広東省佛山市南華金属宝石工芸公司の従業員 林さん
「このマネージャー二人は、昨夜の前に残業した従業員に対して、トイレに行くのを許可しなかった。トイレのドアに閉めて、入らせないようにした。我慢できず、作業場で漏らした人もいる」

仏山市南華金属宝石工芸公司は1996年に創立され、事業内容は、時計ケース、時計ベルト、ジュエリー工芸品、金属工芸品など多岐にわたります。

あるネットユーザー(「仏山刀哥」)は投稿した動画のなかで、南華公司は実際は形を変えたリストラを行っており、金銭的な補償を回避するために、従業員が自ら退職するように仕向けているがこれは違法であると指摘しました。また、十数年の間、南華公司の経営者や株主は数え切れないほどのお金を稼いでおり、彼らにとって、金は単なる数字かもしれないが、従業員たちにとっては家族全員の生活の糧であると指摘しています。

ネットユーザー「仏山刀哥」
「たとえ今、注文が減っていても、正常な形で解雇を行えばいい。古い従業員はみな、会社が法律に基づいて、経済的補償金を支払い、契約を解除するのを歓迎している。彼らも会社を離れ、各自活路を探すことを望んでいる。なぜ 辞職を強要するのか?」

NTD Japan

 
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