上海市黄浦区政府の専用食堂 激安メニューに驚きと呆れ

最近、上海市黄浦区政府の専用食堂に関する動画がインターネット上で話題となっています。食堂の電光掲示板に表示されたメニュー表における最も高い料理の宮保鶏丁(ゴンバオ・ジーディン)でわずか3元(約50円)となっており、ほかの料理も通常1元(16円)未満で販売されています。中国社会で物価が高騰している中、驚異的な低価格の食品をめぐりネットユーザーの間で議論が巻き起こりました。動画を投稿したネットユーザーはすでに拘留されていると言われています。

3月21日、あるツイッターユーザーは動画を公開し、次のようなコメントを投稿しました。「ここは上海市黄浦区政府の専用の食堂で、3月18日にワクチンを接種した際に撮影した。おそらく食堂側でメニューの電光掲示板を消すことを忘れたのだろう」

電光掲示板に表示されたメニュー表には次のように表示されています。宮保鶏丁とスパイシーポークライスがそれぞれ3元(50円)/ワンタン1.2元(25円)/麺類が0.3元(5円)/花捲(ホアジュアン、蒸しパン)一個が0.5元(8円) /野菜まんじゅう一個が0.7元(11円)/あんまん一個が0.8元(13円)/油条(揚げパン)一本が0.5元(8円)/小籠包4個で3元(50円)。

動画が公開されてから、ネットユーザーの間で議論が引き起こされ、「我々の膏血(こうけつ)はこのように山分けされ、享受に使われ、浪費されている」などのコメントが投稿されました。

あるネットユーザーは、「三公消費」つまり、公費での旅行、公費での接待飲食、公用車の私的購入・私用への制限がまだなかった時代に政府部門は公費で会食し、末端の幹部は一食で1000元(1.6万円)以上使う人もいた。後に、三公消費への制限がかけられると、政府の各部門は食堂を設けた。野菜などの食材は全部養殖基地や農場から特別供給してもらっている。区レベルの政府部門ですら、専属の手配旅行があり、別荘も利用できると述べています。

上海市の市民・王さんは、動画を公開したネットユーザーは、国家機密を漏洩したとして拘留されていると暴露しました。

上海市の市民・王さん
「彼は(メニューの)価格があまりにも安いので、撮影してネットに投稿した。当局は直ちに投稿した人を拘束した。メニューが安い。これは秘密でもない。だからといって人を逮捕するのか。その人はただ事実を撮影しただけだ」

公益活動家の董廣平(とう・こうへい)氏は、このようなことは独裁体制下で発生する現象だと述べました。

中国市民公益活動家・董廣平氏
「独裁体制だから、すべてが政権のために動いている」

ネット上では、「最近物価が高騰し、食料品価格が非常に高い。庶民は日常的な食生活にも困窮しているが、政府関係者は国民の膏血を山分けし、資源を搾取している。決して受け入れられないことだ」との不満の声も多く聞かれています。

 
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