日本人軍事ジャーナリスト「大至急スパイ防止法の制定を」

深刻化の一途を辿る中共のサイバー攻撃

先月、国立研究開発法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)がサイバー攻撃を受けた事件で、中国籍の男性が書類送検されました。警視庁は記者会見で、攻撃には中共の人民解放軍が関与した可能性が高いと発表しました。軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹(かじ・としき)氏は、このことは非常に重大なことであると述べています。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹氏
「日本の警察庁長官も、はっきり攻撃があったということを認めることになって来ていて、実は非常に重大なことだ。攻撃されてしまうと、結局日本のセキュリティの甘さということにはなるんだけれども」

西側諸国に対する中共のサイバー攻撃は年々拡大しています。鍛冶氏は、サイバー攻撃は日本にとって大きな脅威であるため、日本はサイバーセキュリティをより強化する必要があると指摘します。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹氏
「(中共は)空軍とか海軍とかだと、まだまだ米軍には及ばないところがあるけれど、サイバー攻撃のことになると、これは分からない。ひょっとすると米軍を上回るぐらいの力があるかもしれないという状態になってきているわけだから、非常に日本とっても脅威である」

また、サイバー攻撃だけでなく、日本では多くの産業スパイが活動していると指摘します。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹氏
「日本はスパイ防止法がない。『私は中国のスパイです』と仮に言ったとしても、取り締まることが全然できない。だから日本は今、一番大事なのは、まずこのスパイ防止法を作ることだ。とにかくスパイということ自体がよくないのだと、いけないことなんだということを知らしめないといけない」

鍛冶氏はまた、日本の優れた技術の多くが産業スパイによって盗まれたことに言及し、スパイ防止法制定の重要性について強調しました。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹氏
「日本は半導体とか製薬業界は、実はかつて1位だった。1980年代には製薬業界も半導体も全部1位だった。全部情報が流出してしまって、産業スパイに盗られてしまって、今や半導体は台湾が1位で、韓国が2位だ。みんな産業スパイにやられてしまった。そういうこともあるから、まずはスパイ防止法の制定が一番大事だと思っている」

鍛冶氏は最後に、国民の声が高まるにつれ、日本政府はいずれ「スパイ防止法」の制定を正式に進めることになるだろうと強調しました。

 
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