中国マラソン死亡事故 腐敗官僚への30%キックバックが遠因?

中国甘粛省で起きたウルトラマラソン事故の詳細が明らかになってきました。米放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、官僚の汚職がこの悲劇的な事故に関係している可能性があります。

5月22日に開催されたウルトラマラソンのレース中に異常気象に見舞われ、21人のプロランナーが、命を落としました。

主催者の白銀市当局は悪天候によりもたらされた事故だとしていますが、ある情報源がラジオ・フリー・アジアに明らかにしたところによると、マラソン大会は官僚の腐敗とも関係があり、レース収益の最大30%が地元当局の責任者へキックバックとして支払われていたといいます。

この情報源によれば、今年のレースには一般競争入札は行われず、地元当局の共産党宣伝部が直接、呉世淵(ご・せえん)という人物を指名してレースを開催させました。

呉氏が経営する会社には従業員が20人しかいないものの、白銀市で行われるほとんどのマラソン大会を主催していました。

また、この情報源によると、呉氏は地元宣伝部の責任者に30%のキックバックを支払うほかに、中国陸上競技連盟に「指導」と「認証」の名目で、少なくとも3万元(約50万円)の管理費を納める必要がありました。

中国登山協会の王さんは、ラジオ・フリー・アジアに対し、このようなイベントには最低でも500人のサポートチームが必要だが、呉氏には9人しかいなかったと語っています。

また、各給水所は10km以上離れており、これはランナーにとって非常に危険です。

王さんは、中国では腐敗官僚へのキックバックを支払わなければならないために、同様のイベントで主催者が人員や物資を削減することはよくあることだと言います。

 
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