オランダの保護者ら TikTokに17億ドルを賠償請求 「子供のプライバシーと安全を軽視」

オランダの非営利団体が、TikTokは何百万人もの若者のユーザーのプライバシーと安全を保護していないと指摘しました。この非営利団体は、6万4千人の保護者を代表して、中国系動画共有アプリ・TikTokを提訴しました。

オランダの非営利団体は今週、オランダおよびその他のEU諸国の6万4千人の保護者を代表して、オランダの裁判所に集団訴訟の手続きを行いました。

オランダの非営利団体SOMI(SOH-mee) は、TikTokが許可なくデータを収集し、子どものプライバシーを侵害していると主張しています。

Tiktok側はそのデータが何に使用され、どこに保存されているのかを開示していません。

最近の報告では、収集されたユーザーデータは中共政権に抜き取られていると考えられています。これが事実であれば、TiktokはEUのプライバシー法である一般データ保護規則(GDPR)に違反していることになります。

TikTokは、中国の大手ハイテク企業ByteDance(バイトダンス)社が所有しており、世界中に7億人のユーザーがいます。

SOMIはまた、TikTokが未成年者の安全を保護していないとも述べています。

TikTok上で流行している危険なチャレンジ動画を真似した事故により、世界で複数の死者が出ています。今年1月には、イタリアの10歳の少女が、TikTok上で流行していた「ブラックアウト(窒息)チャレンジ」に参加して、死亡しました。

SOMIとともに本件に取り組んでいる弁護士は、「TikTok上における子どもへのリスクを過小評価してはならず、TikTokの善意を過大評価してもならない。しばしば親切で無害に見えるが、TikTokはプロファイリング及び広告アプリに過ぎない」と述べています。

13歳未満の子供の利用を禁止とするTiktokのポリシーが施行されていないとして、この訴訟に参加した保護者は最大で2万ユーロ(約260万円)の賠償金を受け取ることができます。

SOMIによると、請求総額は14億ユーロ(約1700億円)以上に達するといいます。SOMIの共同創設者は、この訴訟は請求額以上の価値があると語っています。

SOMI共同創設者 Cor Wijtvliet
「私たちは、規制当局が訴訟を引き受け、TikTokのやり方を変えさせることを望んでいる。それが最終目的だ。我々のような小さな組織では、TikTokに危害を加えることはない。誰かが鉄拳を持っていなければならない」

SOMIは、この訴訟によって、アイルランドデータ保護委員会(DPC)が行動を起こすことを期待しています。同委員会は、TikTokにおけるEUのデータ保護を行っています。

SOMIは、4月に同委員会に訴訟を申し立てました。一方、TikTok側は欧州の法律に違反していないと主張しています。TikTokに対する訴訟は今回が初めてではありません。

英国では、4月にイングランド子供コミッショナーの元メンバー、アン・ロングフィールド氏が350万人の子どもたちを代表してTikTokを提訴していました。

また、欧州委員会は先週、欧州消費者機構(BEUC)から寄せられた子供の安全性に関する懸念に対し、TikTok社に1か月以内に回答するよう要求しました。

 
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