カナダ国立P4実験室が中共軍と協力 中国系研究者は行方不明

カナダで最も安全性の高い国立P4研究所が、中共軍および武漢ウイルス研究所と協力していたことが明らかになり、現在情報機関の調査を受けています。研究所に勤めていた中国系研究者2人の所在は現在不明であり、この事件は国家安全保障に脅威をもたらしたとして、カナダ議会で注目される議題の1つとなっています。

カナダ・マニトバ州のウィニペグにある「国立微生物研究所」(NML)は、カナダで唯一の「病原体レベル4(P4)実験室」であり、多くの致命的なウイルスに関する研究が行われています。現在行っている中共ウィルスに関する研究だけでも100件以上あり、ワクチンの研究も行われています。

しかし、情報機関によると、同研究所所属の中国系研究者が致死性のウイルスを武漢ウィルス研究所に送ったことがあり、また複数の研究者が中共軍の研究者と協力していたことが明らかになりました。

カナダ議会の「カナダと中国の関係に関する特別委員会(Special Committee on Canada-China Relations、CACN)」は1年前から、この事件がカナダの国家安全保障にもたらす脅威について調査を行っています。

カナダ保守党議員 マイケル・チョン氏
「ウィニペグ研究所所属の研究者7人が中国の研究者と共同で、世界で最も危険なウイルスについて研究していた。これらの研究者は、2016年から2020年にかけて、少なくとも6本の論文を共著した。うち、一部の研究は中共当局より資金供給されており、一部の研究者は中共軍所属である」

うち、中国側の研究者閆飛虎(えん・ひこ)氏は、中国人民解放軍軍事医学研究院(PLA’s Academy of Military Medical Sciences)の所属で、6つの研究報告書に共著者として名前が記載されています。また2つの報告書では、ウィニペグ研究所と解放軍軍事医学研究院の両方のメンバーであると記されています。

2019年7月5日、中国系研究者の邱香果(きゅう・こうか)氏と夫の成克定(ケディン・チャン、Keding Chang)氏、および中国人留学生が実験室への通行証を取り消されました。その後、情報機関の提案のもとで、研究所は邱氏夫婦を解雇したとされています。 一方、邱氏はウィニペグ研究所のワクチン開発および抗ウイルス治療部門の責任者でした。

カナダ保守党議員 マイケル・チョン氏
「ウィニペグ研究所のDr.邱とDr.成は、ウイルスを武漢ウイルス研究所に送った。武漢ウイルス研究所は、中共ウィルスの発生源と疑われている2か所のうちの1つである」

2019年7月5日に警察に連行されたとの報道を最後に、邱氏夫婦に関する情報はありません。カナダ騎馬警察当局は、事件がまだ調査中であることを理由に、二人の所在を明かしていません。

カナダメディアの調査によると、邱氏夫婦は3つの不動産を所有しており、メインの自宅は120万カナダドル(約1億円)の価値があり、2つ目は賃貸に出しており、3つ目はリゾート地に位置しているとのことです。また、中国にも不動産を所有しているとのことです。

トルドー政権は、この事件が国家安全保障に関わる事件であることを認めています。カナダの保健大臣も先日、カナダと中国の関係に関する特別委員会の公聴会において、邱氏夫婦の解雇と武漢の研究所にウイルスを密輸した問題に関する完全な書類を議会の情報・安全保障委員会に提出したと証言しています。

 
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