中共官製メディア 「反共闘士」の動画を無断使用

中国人女性の一団がニューヨーク市内で中共のプロパガンダ音楽に合わせて踊る姿が目撃されました。ある地元住民がそれを撮影し、「吐き気がする」と投稿しました。

しかしおよそ2時間後、彼は自分が撮影した動画が中共の官製メディアに掲載されているのを目にし、驚いてしまいました。

6月22日の朝、ニューヨーク市在住の蔡桂華氏はチャイナタウン・フラッシングの公園で、福建省出身の女性グループが、大音量で中共のプロパガンダ歌曲を流し、そのリズムに合わせて文化大革命時の「忠字舞」を踊る姿を目にしました。

歌の歌詞は、中国共産党を中国の救世主として称賛するものです。

蔡氏はその様子を撮影し、動画をTwitterに投稿し、「福州出身の女性たちが、命懸けでニューヨークに密入国したはずなのに、フラッシングで歌曲『共産党がなければ新しい中国はない』を流し、文革時の忠字舞を踊っている」とコメントを添えました。

数時間後に再度批判を込めて、「この愚か者たちは見るに堪えない。吐き気がする!」とツイートしました。

ニューヨーク在住の蔡桂華氏
「中国共産党を信じる者は米国に来るな。米国は共産党の信奉者に侵略されることを望んでいない」

ところが数時間後、蔡桂華氏は人民日報をはじめとする複数の中共官製メディアが、同じ動画を30秒の動画に編集し、それぞれのTwitterアカウントで公開しているのを目にして驚いてしまいました。

蔡氏は、これらの報道機関が彼の動画を無断で使用したばかりか、動画に添えていた批判のコメントを省略し、中共を賞賛するプロパガンダに利用したことに憤慨しています。

蔡氏は、これらの中共メディアを著作権侵害で訴えることを計画しています。また、中国系米国人に向けてメッセージを発しています。

ニューヨーク在住の蔡桂華氏
「私たちは自由を求めてこの国に来た。私たちは良心のない人間になるのではなく、自分自身を大切にし、自愛、自重、感謝することを学ぶべきだ」

蔡氏は、中国系米国人は中共の党文化で米国を汚染してはならないと語っています。

蔡桂華さんは、中国民主党上海支部の創設者の一人で、1978年の「民主の壁」、1989年の「天安門事件」、1998年の政党設立などの民主化運動に身を投じた、中国でも数少ない「反共闘士」の一人です。2度の投獄を経て、仕事と家庭を失い、2000年に米国に渡り、海外で活動を続けています。

2009年には米国の国籍を取得し、米国への忠誠を誓いました。

〈字幕版〉

 
関連記事