中共100周年と日米軍事演習 「台湾海峡での武力行使は深刻な誤り」【禁聞】

中共100年講話の中で習近平総書記が「台湾問題の解決」を公言したことが国際メディアから注視されています。これに対し米国務省は、台湾に対する米国の責務は盤石であり、武力行使による台湾海峡の現状の変更は「重大な誤り」と発表しました。これと同時に米国と日本はこれまでで最大規模の軍事演習を行いました。

米国務省は先日、台湾に対する米国の責務は盤石であり、両岸問題の平和的解決を引き続き支持すると発表しました。国務省はまた中共政府に対し、武力行使による台湾海峡の現状の変更は「深刻な誤り」だと警告しました。

欧州議会は8日、圧倒的な支持を得て、香港の人権と国際法を侵害した個人と団体に対する制裁を含む決議を行い、国際社会のパートナーと提携して台湾民主の確保をサポートする用意があると強調しました。

7月1日に結党100周年を迎えた中共の習近平総書記が強硬な講話を行ったことで、台湾海峡の安全保障に関する問題が国際メディアから大いに注目されています。ワシントン・ポストは社説で「血なまぐさい表明」と形容し、中共は民主社会と隣国、特に台湾に対し高まり続ける脅威を与え、世界秩序と平和を脅かしていると報じました。

7月2日、米太平洋艦隊はフェイスブックアカウントに過去に撮影された写真を投稿しました。これは1996年3月に発生した第三次台湾海峡危機のときに米国が台湾海峡に派遣した空母インディペンデンス(USS Independence,CV62)を撮影したものです。

台湾国防安全研究院国防戦略・資源研究所の蘇紫雲所長
「非常に明確なことは、北京に対し米国には台湾海峡危機を抑止し、台湾海峡の平和と安全を維持する力があるという一つのシグナルを発したことだ」

米国海軍の定期刊行物「シー・パワー(Sea Power)」は、米国海軍太平洋艦隊のサミュエル・パパロ(Sam Paparo)大将が6月29日に「太平洋艦隊、インド太平洋司令部の我々は米国が直面している安全保障上の脅威に対応する準備に責任を負う」と発言し、この任務には艦隊の派遣が含まれ、「中国が世界の秩序を転覆させるあらゆる意図に対し大打撃を与えることができる。これには中華人民共和国の台湾への武力行使も含む」と述べたとも報じました。

中国共産党設立100周年を間近に控えた6月24日から7月11日にかけて、米国と日本は軍事演習「オリエント・シールド(Orient Shield)」を行いました。今回の軍事演習は過去36年間で最大規模となり、参加者の数も最多となりました。

蘇紫雲氏
「米国と日本はサミットの度に台湾海峡の安全と平和の重要性を強調してきた。今回の軍事戦略のレベルは、この種の実質的な防衛準備を行うものだ」
フィナンシャル・タイムズは以前に、米国と日本は台湾と中共との間の衝突に対応するために、米国のトランプ政権の最後の一年から作戦と合同軍事演習を開始し、それが今まで続いていると報じていますが、これに対し米国防総省は控えめな回答を行いました。

米国防総省のカービー報道官(2021.7.2)
「そうだ。我々は今、日本と合同軍事演習を行っている。だが私はほとんどの演習のシナリオの詳細まで論じることはない。しかし我々は準備と訓練の機会を求め続けており、相互運用性と合同作戦のテスト能力を向上させている」

習近平総書記の台湾統一実現の講話を受けて、岸信夫防衛大臣は7月2日の記者会見で、「台湾をめぐる情勢の安定は、南西地域を含む我が国の安全保障にとって非常に重要であり、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、台湾と中国の軍事バランスが中国側に有利な方向に変化している」と指摘したうえ、防衛省として「引き続き注視する必要がある」と述べました。

中共設立100周年の同じ日に中華民国の蔡英文総統は国軍将校への叙勲式(じょくんしき)を行いました。

中華民国の蔡英文総統
「我々国民の中華民国国軍に対する期待は日増しに深まり、国防力の強化は一刻の猶予もならない」

台湾の大陸委員会もまた、台湾の2300万人の人々はすでに中共の一方的な「一つの中国の原則」と「92年コンセンサス」を拒否していると述べています。

大陸委員会の邱垂正氏
「我々は北京当局に対し、両岸の現実の直視と台湾の民意の尊重、両岸関係の発展の堅持を呼びかける。政治的枠組みの押し付けと軍事的な威嚇をやめなければ、両岸関係の良好な協働はあり得ない」

同日、ポンペオ元国務長官がツイッターに「中共の100年間は殺戮やジェノサイドが行われた一つの世紀だ。中共ほど多くの人を殺した政党はない」と投稿したほか、欧米の複数の議員が中共政権による人民の殺害を非難する投稿を行いました。

これより2日前、ポンペオ元国務長官は海外メディアの取材に対し、中共の台湾進攻を阻止するために、米国が中共の台湾攻撃を強く警告する必要があると述べています。

ポンペオ元国務長官(2021.6.29)
「我々は中国共産党、楊潔篪、習近平に対し非常にはっきりと、彼らが台湾に対し行動に出た場合、彼らは大きな代償を支払うことになると表明すべきだ」

 
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