英国のウイルス接触追跡アプリへの懸念

英国では、中共ウイルス接触追跡アプリが導入され、多くの人が利用しています。このアプリは人々がウイルス感染者と接触した可能性がある場合に自主隔離を知らせるものです。しかしこのテクノロジーは実際どれほど正確なものなのでしょうか? 報道をご覧ください。

アプリ市場のデータと分析ツールを提供するアップ・アニー(App Annie)社によると、英国の中共ウイルス接触追跡アプリのダウンロード回数は1週間で16万回を超えました。

アプリの利用者数は増えていますが、現在自主隔離を指示する通知アラートが急増しています。

アアボコ・アイデンティティ(AVOCO IDENTITY)社の研究開発長 スーザン・モロ氏
「これは、今だかつて経験したことのない大規模な社会実験のようなものだ」

自主隔離の通知を受けた際は10日間の自主隔離を行うことになっています。この種のテクノロジーの開発と、政府のデータセキュリティプロジェクトに関わってきた専門家は、この技術がまだ初期段階のものであり、更なる開発と改良が必要であると述べています。

アボコ・アイデンティティ(AVOCO IDENTITY)社のスーザン・モロー研究開発長
「今回のように大勢の利用者を対象とするには、25年間この分野を専門にしてきた私の目から見れば、ソフトウェアシステムと技術はまだ初期段階にある。大衆に受け入れられるためには、多くの問題がある」

このアプリは、ブルートゥース(Bluetooth)の距離測定によって感染者を探知します。室内にいるか室外にいるかは判別できません。

アボコ・アイデンティティ(AVOCO IDENTITY)社のスーザン・モロー研究開発長
「アルゴリズムでは、あなたと隣人の間にレンガの壁があるかどうかを判断することができない。近代的な建築では、例えば、レンガの壁は必ずしも厚くはない。だからこそブルートゥースの信号を拾うことができるのだ」

一部の人にとって、アプリを利用するかどうかは、自主隔離を行う余裕があるかどうかの問題でもあります。

アボコ・アイデンティティ(AVOCO IDENTITY)社のスーザン・モロー研究開発長
「これはいわば二つに引き裂かれたシステムだ。それを利用できない人もいれば、それを効果的に利用できる人もいる。システムが広く普及すればするほど社会にとっては有益だ。実際多くのテクノロジーとはそういうものだ」

人々の反応を受けて英政府は7月23日、運輸、エネルギー、地方自治体、デジタルインフラ等の分野の事業者については自主隔離アラートの適用外とすることを発表しました。ただし適用免除のためには、事業者が政府に申請を行う必要があります。

適用免除が認可されれば、事業所の従業員に対して自主隔離の代わりに毎日の検査を実施する体制が敷かれます。

〈字幕版〉

 
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