英国 中国原子力企業の排除を検討

英国は中共国営の原子力企業をプロジェクトから排除する動きを見せています。フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、英政府は排除する方法を検討しています。報道をご覧ください。

英国は中国の原子力企業、中国広核集団(CGN)を排除する方向で検討しています。

フィナンシャル・タイムズの報道によると、英政府はイングランド東部にある270億ドル(約3兆円)を超える規模のサイズウェル原子力発電所からCGNを締め出す意向です。

ある原子力専門家は、CGNは原子力発電所を作るのが得意で、しかも早くなったといいます。しかし、中共の国営企業をプロジェクトに参加させた理由がもう一つあります。

ケンブリッジ大学原子力エネルギーセンター講師 トニー・ロールストーン氏
「何故CGN(中国広核集団)を参加させたのか、その理由の一つはCGNが巨額の出資を行う予定だったからだ」

2019年、トランプ政権は英国に対し、重要なインフラに中共の関与を認めることの危険性を警告しました。

2017年には、米国在住の技術者が、CGNと協力して原子力発電技術を中国に流出させたとして、禁固2年の実刑判決を受けました。

ヘンリー・ジャクソン協会(英シンクタンク)の広報責任者 サム・アームストロング氏
「CGNに関しては、米国は一貫して正しい判断をしてきた。米国自身がその代償を払ってきたからだ。米国企業は、CGNの陰謀の犠牲になった。中国人技術者が原子力関係の機密情報を盗んでCGNに渡した罪を認め、CGNは被告席に立たされた。CGNがもたらしたダメージを身をもって体験したのだ」

英シンクタンク「ヘンリー・ジャクソン協会」のサム・アームストロング氏はトランプ政権、特に国務省の外交官クリストファー・アシュリー・フォード氏がCGNの危険性を警告する上で大きな役割を果たしたといいます。

英国のヒンクリー・ポイント原子力発電所にとってCGNの出資は大きなウェートを占めています。

ケンブリッジ大学原子力エネルギーセンター講師 トニー・ロールストーン氏
「CGNはおそらく60〜70億ポンド(約9121億円〜1兆630億円)、もしかすると100億ドル(1.1兆円)を投資している。これは莫大な出資額だ。もしCGNが工場の主要出資者として参加しなければ、誰が主要出資者になるのかという問題がある」

ケンブリッジ大学原子力エネルギーセンターの講師、トニー・ロールストーン氏は、もしフランス国営企業のフランス電力公社(EDF)が英国にCGNの出資分を引き受けなければ、これらの原発プロジェクトは頓挫するだろうといいます。

ロールストーン氏は、現在EDFは英政府と緊密に協力しており、出資の合意が取り付けられるならば、CGNの出資分についてさしたる懸念はないと述べています。

新たに建設されるサイズウェル原発プラントの契約ではCGNを排除する見通しで、CGNがすでに関与しているヒンクリー・ポイント原発での取り決めにおいても状況は似通っています。

アームストロング氏は、何故ヒンクリー・ポイント原発についても過去に遡ってCGN排除を検討しないのかと疑問を呈しています。

〈字幕版〉

 
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