「インターネット児童保護法」が英国で9月から施行

英国では、ネット上の子供のプライバシーを守るための新たな法律「年齢適正デザインコード」が9月から施行されます。この法律を推進してきた有名な映画監督が、法案の着想に至った背景を語っています。報道をご覧ください。

英上院議員女性男爵でもある映画監督のビーバン・キドロン氏は長年にわたり、ネット上での未成年者保護を訴えてきました。キドロン氏はドキュメンタリー映画の制作を通して、インターネットが未成年者に及ぼす影響を痛いほど思い知ったと述べています。

英上院議員で映画監督のビーバン・キドロン氏
「私は、自分がインターネットやデジタル世界の創始者であると思っている人々と話をした。彼らは、全てのユーザーを平等に扱うことを誇りに思っていた。そのとき私が理解したのは、全てのユーザーを平等に扱うということは、子どもを大人のように扱うということだった」

ビーバン・キドロン氏は9月2日に発効する新法を推進してきた立役者です。「年齢適正デザインコード(The Age Appropriate Design Code)」は、オンラインサービスの設計において、未成年者の利益を最優先事項として確保するものです。

英上院議員で映画監督のビーバン・キドロン氏
「この法律に従えば、未成年者を対象として取り扱う場合には、プライバシーのハードルを高く設定して十分な配慮を行う必要がある。例えば、未成年者の正確な位置情報を公開してはならない。未成年者にとっては危険だからだ。彼らがファーストフード店の前にたむろしていることを商業利用して、そのファーストフード店の宣伝をすることもできない」

違反者には、収益の4%又は1700万ポンド(約26億円)の罰金が科されます。

キドロン氏は、多くの人々は、ネット上のポルノ、暴力、嫌がらせ等が、子供の安全性を脅かすとの認識があるといいます。

英上院議員で映画監督のビーバン・キドロン氏
「しかし実際には、それよりはるかに深刻な問題なのだ。敵意、フェイクニュース、仮想空間での人気投票、未成年者の商業化や商品化等、ありとあらゆる形の危険がある」

「年齢適正デザインコード」は、この種の法律としては初めてのものです。

IT業界は既に反応を見せています。Googleは、同社の検索エンジンやYouTubeを利用する未成年者のプライバシーを守るための大幅な変更を発表しました。

TikTokはアカウントの所有者が16歳か17歳である場合、ダイレクトメッセージに制限をかける予定です。

〈字幕版〉

 
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