サムスン重工業 寧波造船所を閉鎖 数千人がデモ

最近、韓国サムスン重工業が寧波造船所の労働者に対し、契約の中止を発表したことを受け、労働者数千人が追加補償を求めてデモを行いました。東芝も大連の生産拠点を9月末で閉鎖すると発表しました。外資の相次ぐ撤退によって、多くの人が失業に直面しています。

サムスン重工業寧波造船所の従業員
「解決案を求める!仕事が必要だ!」

9月9日午前、浙江省にあるサムスン重工業の寧波造船所では労働者数千人が「サムスンは私たちの家、私は仕事が必要だ、家族を養わなければならない」と書いた横断幕を掲げて、抗議を行いました。

報道によると、寧波造船所の労働者は今年7月頃にサムスン本部が造船所の閉鎖を決めたことを知らされました。造船所所在地の寧波市北侖区政府も公告で、造船所の敷地回収協議が終了したことを発表しました。

労働者たちが抗議を行うまで、サムスン側からの説明はなかったといいます。

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サムスン重工業寧波造船所の従業員 王さん
「政府による立ち退きが行われることは前から聞いていたことだが、ずっと正式な発表はなかった。今回は労働者がある程度まで働いているのに、解決案がまだ出されていないので、会社側にいつ終わるのか、解決案を出すように求めている」

9月10日になって、サムスン重工業は労働者に対し、契約の中止を発表し、補償は労働期間1年ごとに1か月分の賃金を支給する「N+1」案を提示しました。寧波造船所では現在、およそ1500人の労働者が引き続き抗議を行うと表明しています。

サムスン重工業寧波造船所の従業員 王さん
「Nは勤続年数で、例えば10年働いた場合、10か月の計算になる。それにプラス1か月分、合計11か月分の賃金補償になる。これまでのことからすると、サムスンの最高補償はN+9だ。パソコンやスマートフォンなどの工場ではそうだったが、私たちのここは低すぎる。法律で定められた最低基準をクリアしただけだ」

サムスンは2019年から2020年にかけて、中国のスマートフォン工場、パソコン工場、テレビ工場を立て続けに閉鎖しています。

このほか、SNS上には、大連の東芝の工場が生産停止を発表し、9月末で閉鎖すると正式に知らされたとの情報が投稿されました。

あるネットユーザーは、「大連の東芝、寧波のサムスン重工業、南京のエリクソンが中国から撤退する。これらの35歳以上の『高齢』人口に雇用の機会が再び訪れることはあるのだろうか。外資が全部撤退すると、経済が衰退していくのを見ているしかない」と投稿しています。

また、ある中国人ユーザーは、「ある日、周りの外資関連が全部消えてしまったら、鎖国の時代がやってくる」とコメントしていています。

 
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