中規委が前司法部長を調査 ネット上では喜びの声

中国共産党のある高官が規律違反の疑いで調査を受けています。そして、このことは中国全土で奇妙な現象を引き起こしています。 反体制派はもちろんのこと、中国の警察までもがこの高官の失脚を祝福しているのです。

中国共産党中央規律検査委員会は10月2日、2018年3月から2020年4月まで司法部部長を務めていた傅政華(ふ・せいか)氏を重大な党規律及び法律違反の疑いで調査していると発表しました。詳細は明らかにされていません。

傅氏の摘発は、習近平総書記による体制の引き締めと関係があるものと考えられています。ネット上では傅氏の悪名高さから同氏の摘発に対して中国市民による喜びの声が寄せられています。

傅政華氏は、2015年7月9日から人権派弁護士200人以上の一斉拘束を命じたことで、その悪名は知れ渡っています。この事件は「709・人権派弁護士大量逮捕事件(709事件)」 として知られています。逮捕された弁護士の中には、精神障害に陥るほどの拷問を受けた者もいました。

傅氏は、現代芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏をはじめとする著名な反体制派活動家の逮捕や、「中国の良心」と呼ばれる高智晟弁護士への残酷な拷問を命じた責任者でもあります。

高智晟弁護士は以前、民主活動家や宗教的少数派の弁護を行いましたが、現在、行方不明になっています。

傅氏は、司法部長の前は中国のゲシュタポと呼ばれる「610弁公室」の主任でした。610弁公室は、超法規的な組織とされ、心身修養法である法輪功の学習者を迫害することを任務としています。

また傅氏は、「610弁公室」の主任と同時期に公安部常務副部長も兼務していましたが、公安部内では悪評が立っていたことで有名です。

中国メディアの報道によると、傅氏の任期中、末端の公安警察の突然死が多数報告されています。傅氏は、警察官に24時間交代制で勤務させ、寝る間も与えなかったため、過労死が相次いだとされています。

 
関連記事