外国人労働者が中国工場で生活環境改善訴え抗議=セルビア

セルビアは中共の一帯一路構想に参加したことで、様々な問題に直面しています。セルビアの中国のタイヤ工場の建設現場では、労働者数百人が過酷な環境の下で生活しています。労働者らは、寒冷環境下にある宿舎に寝泊まりしており、お湯や暖房もなく、食料も十分ではないといいます。このことに対し、一部の人権団体は、労働者らが人身売買や奴隷労働の犠牲者である可能性があると警告しています。

セルビア北部ズレニャニンに位置する中国山東リンロン・タイヤ(山東玲瓏輪胎股份有限公司)の工場建設現場では、約500人の労働者が過酷な環境下で生活しています。

欧州初の中国のタイヤ工場の建設であり、多くのベトナム人労働者が従事しています。

労働者らは、暖房もなく、食料も十分に用意されていないバラック(仮設住宅)で生活しています。

ベトナム人労働者 グエンバンチーさん
「私たちは大きな問題を抱えています。電気も水もなく、給料もない」

11月19日、グエンバンチーさんと同様にバラックで生活する労働者約100人が、生活環境の窮状を訴えるためにストライキを起こしました。

労働者の数人は、ストライキに参加したため、解雇されました。

このことは、セルビアの人権団体からの懸念を引き起こしました。人権団体は、労働者が人身売買や奴隷労働の犠牲者である可能性があると警告しています。

NGO団体Zrenjanin Action ミソ・ジバノフ氏
「ベトナム人労働者は劣悪な環境下で生活しており、私たちは今、人権問題を目の当たりにしています。彼らのパスポートや身分証明書は、中国の雇用主に取り上げられています。彼らは今年5月からここに滞在していますが、賃金は1度しか支払われていないのです」

このタイヤ工場を所有する山東リンロン・タイヤ社は、セルビアのメディアに対し、同社は労働者に責任を負っていないとしています。

同社は声明で、労働者を直接雇用していないため、現在の労働者の状況はベトナムの下請け業者や職業斡旋業者によるものだと発表しました。

同社は、労働者の劣悪な生活環境については否認し、また労働者らへの情報書類の返却を表明しました。

セルビアは、中共政権にとって欧州における影響力拡大の重要拠点となっています。

中共の銀行は、インフラ建設で中国企業を雇用するため、セルビアに対し数十億ドルの融資を行っていました。

 
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