北京当局は、カザフスタンの情勢不安を注視しています。1月7日、中国共産党の習近平総書記はカザフスタンで「革命」を扇動し、中国(共)と同国との関係に害を及ぼそうとする外部勢力のいかなる試みにも強く反対すると述べました。
カザフスタンでは、燃料価格の高騰に端を発した激しい抗議デモが発生しました。また、一部では真の民主主義の欠如も指摘されています。
これを受けて、カザフスタンの大統領は7日に非常事態を宣言し、国の一部を封鎖しました。
カザフスタンの安定は、中国にとって極めて重要です。なぜなら、カザフスタンは中共の「一帯一路」構想の鍵を握っているからです。
カザフスタンは、2013年に習近平総書記が初めてこの構想を発表した場所でもあります。2005年から2020年にかけて、中国のカザフスタンへの投資総額は約200億ドル(約2兆3千億円)に達しました。
カザフスタンは、中国にとって重要なガス供給源でもあります。2017年に両国は協定を結び、カザフスタンは中国に対し、毎年1700億立方フィートの天然ガスを輸出することになりました。
中国はカザフスタンにとって第2位の貿易相手国でもあります。両国の貿易総額は、2021年には220億ドルを超えました。
抗議デモや暴動は、カザフスタンにおける中国企業や投資を脅かす可能性があります。中共官製メディアの「環球時報」は、そうした懸念を払拭するために介入したほどです。しかし、やはりカザフスタン情勢が石油とガスの供給に何らかの影響を与えることは避けられないと思われます。