北京五輪スポンサー企業は関連コマーシャルに消極的=イメージ悪化を恐れ

北京冬季オリンピックのカウントダウンが始まり、世界各地でボイコット運動が続く中、スポンサー企業は自社に人権迫害への加担というネガティブなイメージが残らないよう、非常に控えめな姿勢を保っています。

2022年北京冬季オリンピックのカウントダウンが始まりましたが、ほとんどのスポンサー企業はオリンピックをテーマにしたコマーシャルを大々的に打ち出してはいません。

2018年の韓国平昌冬季オリンピックでは、トップスポンサーのVisaがオリンピック開幕の100日前からTwitterで開幕カウントダウンを行ったほか、P&Gは同じ時期にオリンピックをテーマにした一連のキャンペーン「偏見よりも愛を(Love Over Bias)」を推進し、コカ・コーラはニューヨークのタイムズスクエアの巨大スクリーンを買収して宣伝しました。しかし今年、VisaとP&Gは北京オリンピックに関係する大型のコマーシャルを打ち出しておらず、コカ・コーラもオリンピック関連のコマーシャル活動は中国国内に限定すると発表しています。

2008年の北京オリンピックで米オリンピック委員会の最高マーケティング責任者を務めたリック・バートン(Rick Burton)氏は、スポンサー企業は難関を突破する努力をしており、彼らはオリンピックに協賛するため巨額の投資を行っているが、これらの投資から得られるはずのグローバルマーケティングのチャンスを失っていると指摘しています。またアナリストは、北京冬季オリンピックを目前に控えたスポンサー企業が「集団的沈黙」を貫いている理由について、おそらく彼らは今、中共の人権弾圧に対する世界からの非難という圧力に直面しているからだと考えています。

昨年12月上旬にバイデン政権は、北京冬季オリンピックに対する外交的ボイコットと米国高官の不参加を決定しました。その理由は、中共の新疆地区のイスラム系少数民族に対する弾圧と、その他の人権侵害だとしています。共和党のマルコ・ルビオ上院議員はコカ・コーラやトヨタなどのスポンサー企業に、冬季オリンピックのすべての広告費を引き揚げるよう求めました。

米国の広告代理店創業者のマーク・ディマッシモ(Mark DiMassimo)氏は、彼らの一部の顧客は現在、オリンピックをテーマにしたコマーシャルではなく、通年行われている一般のコマーシャルへの資金投入を検討中だと指摘しています。また、マーケティング専門家は、ほとんどの広告主は、中共からの報復を恐れて反中国の声明を公に出すことを避けていると分析しています。

 
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