NBAフリーダム氏 ヒューストン・ロケッツに移籍も解雇 中国共産党の影響?

2月10日、米プロバスケットボール(NBA)チーム、ボストン・セルティックスに所属していたエネス・カンター・フリーダム氏(旧名:エネス・カンター)がヒューストン・ロケッツにトレード移籍しました。しかしその4日後、ロケッツはフリーダム氏を解雇し、現在はフリーエージェントになっています。

フリーダム氏は、中国における人権問題について発言する数少ないプロスポーツ選手の一人です。昨年10月、フリーダム氏は中国共産党の習近平総書記を「残忍な独裁者」と非難し、昨年11月には、「中共政権は強制臓器摘出を行なっている。民族、宗教団体、チベット、ウイグル、キリスト教徒、法輪功などが狙われている」とツイッターやフェイスブックに投稿したことが話題となりました。

フリーダム氏の発言は、中共の怒りを買いました。

昨年10月、フリーダム氏がチベットでの弾圧を非難したことを受け、中国のIT大手・騰訊控股(テンセント)が、セルティックスのシーズン開幕戦のインターネット動画での配信を中止しました。

NTDニュースのホスト、ステファニア・コックスはスポーツレポーターのデイブ・マーティンに、フリーダム氏についての話を伺いました。

NTDのスポーツレポーター、デイブ・マーティンにお話を聞きます。デイブ、チームが選手をトレードした後、すぐ放出するのは珍しいことでしょうか?

NTDのスポーツレポーター デイブ・マーティン
「必ずしもそうとも限らない。サラリーキャップのためだけに選手がトレードされ、その後すぐに解雇し、どのチームとも契約できる状態にすることもある。また、ロケッツは3人の選手を獲得した一方で1人しか放出していないので、登録選手最大15人にとどまるためには、何人かの選手を放出しなければならないことになっていた。ただ興味深いのは、ロケッツはフリーダム氏を解雇したのと同じ日にアルモニ・ブルックス氏を解雇し、その翌日にD・J・オーガスティン氏を解雇したが、3人目の選手を放出する必要があったとは言い難い」

フリーダム選手は今シーズン、3番手のセンターとして1試合の平均出場時間は12分のみでした。彼の活躍が解雇につながったと言える。それとも、彼の年俸が高すぎたのでしょうか?

NTDのスポーツレポーター デイブ・マーティン
「フリーダム選手は、セルティックスの3番手のセンターとして契約したが、彼が残した数字を見れば、かなり生産的であった。彼は限られた時間の間に平均4.5リバウンド以上をとり、これは出場時間36分に換算すると、14リバウンドに等しい 。この数字はバックアップセンターとしては良いものだ。昨年はシーズン平均でダブルダブルを達成し、しかもまだ29歳であるため、それほど高齢でもない。年俸は、NBAのベテラン選手最低額の250万ドル強だ。これは私たちから見れば大きな額だが、トッププレーヤーが年間4千万〜5千万ドルを稼ぐリーグではたいした額ではない」

先程述べたように、フリーダム選手は中国における人権問題について率直に発言しており、このことが明らかにNBAと中国IT大手・テンセントとの関係に影響しました。この状況について、今回の解雇が政治的なものであると思われますか?

NTDのスポーツレポーター デイブ・マーティン
「今回の解雇については必ずしもそうは思いません。しかし、現在5日目にしてどのチームも彼と契約していないという事実が、その主張をより強くしています。 コロナ事情で3年以上の引退生活から復帰した40歳のジョー・ジョンソンが、セルティックスのユニフォームを着て、得点まで決めたリーグです。フリーダム選手は29歳で、昨シーズンはダブルダブルを達成したが、どういうわけかまだチームが見つかっていません。彼が契約しないまま、この状況が長引けば長引くほど、政治的な議論は大きくなり、NBAへの批判は大きくなっていくと思われます」

 
関連記事