WTO加盟20年の中国「約束守らず」

バイデン政権は16日、中共による世界貿易機関(WTO)のルールの遵守状況を評価する年次報告書を発表しました。そもそも中共は海外市場に参入するために交わした約束を守ったのでしょうか。また、最近の約束についてはどうなのでしょうか。

中共は20年前と最近結んだ公約の両方を破っています。

米通商代表部(USTR)が16日に発表した2021年版年次報告書では、中共が2001年に西側諸国に初めて市場を開放した際の約束や、2020年の貿易協定の下での約束など、様々な貿易公約をいかに履行してこなかったかを詳述しています。

米ホワイトハウス報道官 ジェン・サキ氏
「私は、第1段階の合意では、中国の国家主導の経済と害を及ぼす経済慣行という核心的な問題に対処していないことを明らかにした。その時期からUSTRは、中国(共)が本気でその意思表示をし、米国産製品を購入する約束を果たすかどうかを確認するための努力を重ねてきたが、実際には、それらは達成されていない。つまり、我々が受け継いだ枠組みの限界を物語っている」

この新たな批判は、米国が中共のWTOルールの遵守状況に関する年次報告書を発表した際に行われたもので、バイデン政権下で初めての報告書となります。

キャサリン・タイ米通商代表は、中共はWTOの自由市場原則を無視し、代わりに「国家主導のアプローチを拡大」し、「世界中の労働者と企業に深刻な損害を与えた」と述べています。

米国は繰り返し、中共に約束を守るよう求めてきました。昨年10月、タイ米通商代表は次のように述べました。

米通商代表部代表キャサリン・タイ氏
「あまりにも長い間、中国(共)は国際貿易の規範を守らず、米国人や世界中の人々の繁栄を損なってきた。近年、北京は国家を中心とした経済体制をさらに強化している」

こうした呼びかけにもかかわらず、最新のデータでは、中共は結局、購入を約束した米国産製品の約半分(57%)しか購入しなかったことが示されています。

下院共和党は現在、バイデン大統領に早急な対応を求めています。

その内の60人は15日に書簡を送り、中国の農産物購入における160億ドル(約1兆8,000億円)の不足に対処するようバイデン氏に要請しました。

議員らは、強制措置の欠如は、将来の貿易交渉に不利な前例を作ることになると警告しています。

〈字幕版〉

 
関連記事