年金か信仰か 退職者に選択を迫る中共

昨年、中国では少なくとも140人の定年退職者が、信念を放棄することを拒んだことを理由に、年金の支給を停止されました。彼らは全員、真、善、忍の理念に基づいて精神修養を行う法輪功の実践者です。このデータは、米国に拠点を置く「明慧ネット」によるもので、中国における法輪功への迫害を記録しています。今回は、その中の一人にお話を伺いました。

1999年、中共当局は法輪功を根絶するために、全国的なキャンペーンを開始しました。それ以降、法輪功を実践する中国の高齢者たちが経済的な危険にさらされています。

カナダ在住の法輪功学習者、崔学敏さんは今年75歳です。1998年まで、中国東北部の黒竜江省ハルピン市で教師を務めていました。

法輪功学習者 崔学敏さん
「1999年11月に年金を打ち切られて以来、1円も受け取っていない」

1999年7月、当局による法輪功への大規模迫害が始まり、10月8日、崔さんは陳情のために北京に行きましたが、数日後地元警察に連れ戻され、拘置所に入れられました。

10月11日、勤めていた学校は一方的に崔さんを除名し、年金の受給権利を剥奪しました。

2000年7月、崔さんは強制労働収容所に送られました。信念を放棄することを拒否したため、3年間を収容所で過ごしました。

法輪功学習者 崔学敏さん
「学校の元同僚はみな『政権には勝てない。修煉を放棄する保証書を書いて、家で密かにやればいいのではないか。そうすれば年金ももらえるのに』と私に言った。彼ら(当局)も、年金の剥奪は違法であることを認めている。仲裁委員会の副処長から『従業員賞罰規定は退職者を対象としない』と書かれた文書をもらっている。私は処罰の対象外なので、年金の受給資格を抹消されるべきではないのだ」

中国共産党による法輪功への迫害はすでに22年以上経っており、経済的な迫害は、学習者に対する常套手段となりました。

カナダ在住の中国人弁護士、頼建平(らい・けんぺい)さんは、「退職者の年金支給を停止するのは、いかなる形であれ違法である」と述べています。

カナダ在住の中国人弁護士 頼建平氏
「まず、生存権の観点からして、これは中国の憲法、世界人権宣言および国際的に認められた人権基準に反している」

頼さんは、この問題は被害者の権利を脅かすだけでなく、被害者の家族の基本的な生存権も脅かすものだと指摘しています。

 
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