今度は「檻に入れられた女性」が=中国陝西省

「鎖につながれた女性」事件に続き、今度は陝西省榆林市(ゆりん-し)佳県(か-けん)で「檻に入れられた女性」が見つかり、多くの人が胸を痛めています。

「檻に入れられた女性」の存在が明らかになったのは、「鎖につながれた女性」事件のときと同様、人身売買人自身がこの件をひけらかしたことが発端でした。あるプラットフォームで動画を配信しているアカウント名称「我是李奇峰(私の名前は李奇峰)」が、自分の妻の小雨(しょうう)は「拾って」きたもので、自分との間に一男一女が生まれたが、女の子の方は生まれてすぐに3万元(約55万円)で売り飛ばしたと話していたからです。

その後、ネットユーザーらが彼らの詳細を調べ上げて次のように暴露しました。それによると、誘拐された「小雨」さんは大きな檻の中に閉じ込められており、目の回りが赤く腫れ上がって目にも生気がなく、手には傷跡が、足には縛られた跡があるほか、太ももには広い範囲でやけどの跡があって精神的に正常とは言い難い状況にあります。その「夫」の李利民という男性は、中国の動画投稿アプリ「快手(クアイショウ)」で10万人近いフォロワーを抱えるインフルエンサーです。

この男性は以前に動画の中で、「一族の中には佳県の幹部がいて、ほかにも陝西省、青海省、北京にもコネを持っている。『拾ってきた妻』の小雨は、自宅の裏山の洞穴の中に閉じ込めている」と公言しています。

3月1日、ウィーチャットアカウント「現実の模様」さんが、小雨さんは2009年に行方が分からなくなった青海民族大学の学生、王国紅さんだと投稿しました。

「鎖につながれた女性」事件と異なるのは、現地警察がこの件に迅速に介入した点です。榆林市公安局は3月1日、「ウィーチャットアカウント『現実の模様』の発した陝西省佳県で発見された檻に入れられた女性は、江蘇省豊県の鎖につながれた女性よりももっと悲惨な目に遭っているとの投稿を受け、榆林市公安局が主導し関連部門が参与する合同調査チームを直ちに立ち上げて調査を進める」と発表しました。

しかし、ネットユーザーは警察の対応を冷めた目で眺めており、「すでに徐州の件で経験済みだ。今回の庶民感情の処理はかなりの確率で、庶民に議論の余地を残さないだろう」「豊県で経験済みのため、恐らく我々の目に入る情報は当局の一方的な見解のはずだ。彼らの発表は何の注目にも値しない」などと投稿しています。また、あるネットユーザーは、「どうやらこの事件に参与している幹部の地位は、あまり高くないようだ。そうでなければ、こんな風に自主的に世間に明らかにするはずがない」と指摘しています。

中国メディアは、実況プラットフォームでは現在「我是李奇峰(私は李奇峰)」のアカウントは凍結されており、過去の動画を見ることもできないと報じています。このアカウントのフォロワー数は約7万8000人です。

 
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