航空墜落事故で未だ生存者なし 当局は献血を呼びかけ

3月21日に、132人を乗せた中国・東方航空のMU5735便が、広西チワン族自治区梧州市上空を飛行中にほぼ垂直に墜落しました。当局は22日、事故現場で生存者はまだ見つかっていないと発表していますが、梧州市政府は市民に対し、無償での献血を呼びかけており、市民は不信と不満を募らせています。

インターネットには、梧州学院の学生が献血のために長い列を作っている動画が投稿されています。

梧州学院青年ボランティア協会は21日午後、現在大量の血液が不足しているため、MU5735便の乗客を救うため献血してほしいと呼びかけました。

梧州市の献血ステーションは23日に新唐人テレビの取材に対し、梧州学院に献血会場を設けた理由は緊急時に対応するためであり、これまでに多くの市民が毎日献血に応じていると話しています。

梧州市の献血センター
「主な理由は、我々は上級(部門)の要求に従って、緊急議案を採用したからだ。ここ(梧州学院)は主に緊急用だ。ほかの人は各ステーションに足を運んで献血している。毎日決まった献血ステーションが、決まった場所に設けられている。これ(献血した人数)は内部情報だから公開できない。献血する人は毎日いる」

梧州市民は無償の献血に喜んで応じており、現時点で献血車6台を使って6万ミリリットルもの献血が行われたと報じられています。

梧州当局は市民に対し、航空機事故の負傷者を救うために無償の献血を呼び掛けていますが、これについて多くの市民が不満を抱いています。

広西チワン族自治区柳州の岳さん
「これこそが世の乱れの表れだ。金に目がくらんで手段を選ばない。この件は法律に従って彼らを厳しく罰するべきだ。無償で献血させられた彼らの血は、どこで使われて、誰が管理するのか。今の病院は全部莆田系(ほでんけい)だ。飛行機が垂直に墜落して、まだ人が(生きて)いるのか?」

莆田系とは、福建省莆田市東庄鎮出身者が経営する民間医療機関です。別の住民は、政府のやり方は度を越しているが、批判する勇気はないと話しています。

広西チワン族自治区の方さん
「私たちはやりすぎだと感じているが、発言する勇気はない。もし発言したら私たちはまた…私たちがどのような環境でくらしているかはあなたも知っているはずだ。ある種の話は、私たちは口に出せない。普通は決まったことしか言えないので、どのみち私たちに発言権はない。ただの操り人形だから」

東方航空の乗客のための献血という触れ込みに対し、インターネットでは怒りの声が上がっています。ある人は「9000メートルの上空から垂直に墜落し、飛行機の中に生存者は一人もいない。お尋ねするが、献血は何のためだ?庶民の知能指数はゼロだと思っているのか」と投稿しています。

 
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