中国の石油輸入事情

いざというとき、国にとって最も有用な資源は何でしょうか?答えは様々でしょう。しかし、常にリストの上位を占めているのが、食料エネルギーです。

エネルギー問題では、米国は中国に石油輸出しています。

米国は石油の純輸出国であり、昨年の石油輸出量の7%が中国向けでした。中国より多くの石油を米国から購入した国は、メキシコ、カナダインドの3か国のみです。

現在、中国は世界最大の石油輸入国です。過去20年間で、中国は石油の輸入を劇的に増やしました。かつて、中国の石油輸入量は、インドのような他の発展途上国とほぼ同レベルでした。しかし2017年、中国の輸入量は米国を上回り、世界一の輸入国になりました。

2015年から2019年にかけての増加量は、世界全体の40%以上に上ります。

それだけではありません。パンデミックが、その輸入の急増をさらに後押ししました。そして2019年後半から、中国の原油輸入量は大幅に増加し、前年比で合計7%を超えました。

中国の石油輸入元としては、サウジアラビア、ロシア、イラクが2020年の上位でした。

しかし、昨年の数字には大きな変化が現れました。2021年は、中国の石油輸入量が数十年ぶりに減少した年となったのです。1月14日に発表された中国税関のデータによると、輸入量は5.4%減少しています。

この減少の背後には何があったのでしょうか?中国の公式発表では、民間製油所の再編が減少の原因だとしています。

また、世界がパンデミックの影から徐々に抜け出しつつあることによる、原油価格の高騰も指摘されています。

日本経済新聞は、この減少について異なった解釈をしています。同紙は、輸入量の減少は、ロックダウンによる燃料需要の減少、及び国内需要の停滞による自動車販売の鈍化を反映しているとしています。

中国が世界最大の原油輸入国になったとはいえ、世界最大の石油消費国は依然として米国です。

米国は1日約2,000万バレルを消費しています。一方、中国は1日1200万バレル強を消費しており、米国に次いで第2位となっています。

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