食料・医療支援不足に苦しむ上海市民 「そこそこ飢えがしのげるだけでいい」

上海都市封鎖が始まってから2週間以上が過ぎ、民衆は食品価格の高騰や食べ物の争奪戦に大きな不満を抱いています。多くの居住区で、陽性者が見つかっても何のケアもなく、政府の現場管理はすでに崩壊の危機に直面しています。

フードデリバリーの配達員
「ちょっと突っ込ませてもらうと、今配達している注文の多くはタバコだ。今の上海のタバコの値段を知っているか。9元の『大前門』は今260元になっていて、11元の『紅双喜』は今300元だ」

フードデリバリーの配達員は、上海の食品価格もタバコの 価格も天井知らずだと言い、上海では商品の仕入れ先が不足しているため、売り手が国難に乗じて金儲けをしていると強く批判しています。

浦西地区の住民は、4月1日から始まった封鎖管理が2週間を超えたが、これがいつまで続くのか現時点で見通しが立っていないとして不満を募らせています。庶民はあらゆる面で不満を抱えています。

上海市民の岳さん
「価格の高騰は問題だが、この際値段はどうでもいい。争奪戦に勝てるだけでいい。今はものを買うというより、争奪戦でものを手に入れることができるかどうかだ。だが争奪戦に勝てない。4月1日から(封鎖が)始まって、今日は14日だ。食べ物をそんなにたくさん蓄えている家がどこにある?」

上海市長寧区沈南(しんなん)居住区の住民は新唐人テレビの取材に対し、この居住区では大量の陽性患者が見つかったが、陽性者の住んでいる建物の消毒と感染症対策が追い付いておらず、居住区の現状は崩壊寸前だと明かしています。

上海市長寧区の住民 黄さん
「私たちの居住区のことは誰も気にかけてくれない。私たちの建物は、住民の9割が陽性になった。私たちは2日間PCR検査をやっていない。ここではゴミもめちゃくちゃに山積みされ、医療サービスや薬も足りていない。多くの人は感染しているのに(病院に)送られていない。今日ようやく、1グループが運ばれていった」

黄さんは、居民委員会の機能は麻痺状態に直面しており、居住区内の実際の感染状況が発表されたこともないため、住民らが不安を募らせていると話しています。

一方、官製メディアの新華社は、都市封鎖中の上海では住民の日用品のニーズを満たすためにさまざまな措置が講じられていると大々的に報じています。

しかし、インターネットには「彼らは人民を助けるためのことは何もやっていない。彼らは選択的に資源を差し押さえて、経済的な地位や政府職員の関係性に基づいて決定している。中共は現在、上海人とそのペットを積極的に殺している」といった辛辣なコメントが並んでいます。

動画音声
「私たちを自宅に1か月以上も閉じ込めておいて、物資を支給しない。物資が届いても、ここで腐らせていて我々には配らない」

岳さんは、現在の上海は極めて混乱していると話し、国際的な大都市がこんな風になるなんて誰が予測しただろうかと疑問を呈しています。

上海市民 岳さん
「あれらの物資が一体どこに消えているのか分からない。私たちをこんな風に自宅に隔離して外出できないようにしておいて、私たちの生活が恵まれているなどと言わないで欲しい。少なくとも一日三食しっかり食べられるようにして欲しい。いや、お腹いっぱいにならなくても、そこそこ飢えがしのげればそれでもいい。今はもう、飢えが目の前に迫っている」

上海の衛生健康部門の職員や居民委員会のスタッフも、巨大な圧力を受けています。13日、上海虹口区衛生健康委員会情報センターの銭文雄主任の家族は、ウィーチャットを通じて、銭文雄氏が12日午後にオフィスで自殺したことを明かしました。

 
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