“反中共”ツイートには検閲か言論の自由か マスク氏Twitter買収で指摘されるチャイナリスク

Twitterを440億ドル相当(約5兆6000億円)で買収し、現在大きな話題を集めている米電気自動車大手テスラのCEO イーロン・マスク氏。中国共産党は、マスク氏を通じてツイッターに影響力を持つようになるのでしょうか?

これについては賛否両論があります。中共政権がツイッターに影響力を持つかもしれないと指摘する見解には、マスク氏の中国に位置するテスラの工場を理由に挙げています。

中国は、世界最大の電気自動車市場であり、テスラにとって初の海外製造拠点となります。4月25日、米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏はツイッターで、「中国政府は町の広場に対してちょっとした影響力を得たということだろうか」と投稿しています。「町の広場」とはTwitterを指しています。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学法学部教授のアナト・アロン=ベック氏は、間違いなく懸念があると述べています。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学アナト・アロン=ベック教授
「イーロン・マスク氏は利害の対立を抱えています。彼は非常に脆弱だと思います。彼が妥協しているかどうかは、時間が教えてくれるでしょう。しかし、彼が中国と密接な関係にあることは確かです」

一方、中国問題専門家であるデイビッド・チャン氏は、マスク氏の中国でのビジネスはツイッターに影響を与えないと主張しています。

番組「チャイナインサイダー」の司会者 デイビッド・チャン氏
「Twitterの問題と彼の中国でのビジネスの問題は、1つに混同されがちだが、実は別々の事柄だと思います。マスク氏のTwitter買収は、彼が言論の自由のためにあることを示す真の機会です。それが言論の自由のプラットフォームであれば、『検閲』という共産主義の中核的な原則と対決することになります」

マスク氏が「共産主義の中核的な原則」に反した場合、中共がツイッターに影響を与えることはないということなのでしょうか。

アロン=ベック氏は、少し様子を見る必要があると述べています。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学アナト・アロン=ベック教授
「彼の発言だけではなく、行動を見てみましょう。時間が経てばわかるはずで す。私は、行動は言葉よりも雄弁であると思います」

ベゾス氏はツイッターで、「この質問に対する私の回答は『おそらく影響はない』というものだ。より可能性の高い結果としては、Twitterでの検閲が起きるというよりも、テスラの中国での複雑さが高まるというものだ」「ただし、マスク氏はこの種の複雑さを操るのが非常にうまい」 と投稿しています。

 
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