米国務長官 中共の宗教弾圧を批判

米国のブリンケン国務長官は、中共がウイグル人に対して行っているジェノサイドや宗教への弾圧を批判しています。

長官は、米国務省が6月2日に開催した世界各国の「信教の自由に関する2021年版報告書」の会見で、この問題について発言しました。

アントニー・ブリンケン米国務長官
「PRC(中華人民共和国)は、仏教、キリスト教、イスラム教、道教の礼拝所を破壊し、キリスト教徒、イスラム教徒、チベット仏教徒、法輪功学習者の雇用と住居に障害を設けるなど、中共の教義にそぐわないと判断した宗教の信者を逮捕し続けている」

PRCとは、中国の正式名称「中華人民共和国」の略語です。

中共当局は当初、新疆ウイグル自治区に強制収容所が存在することを否定していました。しかし2018年、当局は同地域でのテロや分裂主義者を再教育するために必要だとしていわゆる「職業訓練センター」を設置したと発表しました。

中共の弾圧の下、中国の地下教会に所属する中国人キリスト教徒は、しばしば嫌がらせや逮捕に直面しています。地下教会とは、中共の認可を受けずに活動している教会のことです。

米メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は、過去5か月の間に、河北省保定市だけで、少なくとも10人の牧師が警察に拘束されたと報じました。

ブリンケン長官は「法輪功」についても言及しました。

法輪功は、「「真・善・忍」の原則に基づいた中国の精神修養法です。

1999年に中共が法輪功を迫害する以前、法輪功を実践する人の数は共産党員の数を上回っていました。

法輪功が政治に関与していないにも関わらず、中共は法輪功が広く普及していることを共産党の支配に対する脅威と捉えたのです。

20年以上経った現在でも、中国では公の場で法輪功について言及することはタブーとなっています。

今年の3月と4月だけで、437人の法輪功学習者が、その信念を放棄しないことを理由に逮捕・拘束されました。

内モンゴル自治区の66歳の女性法輪功学習者季雲芝さんは、北京オリンピック開幕の3日前の2月1日に逮捕されました。その後、48日間にわたって拷問を受け、3月21日にこの世を去りました。

季さんの息子は建築家で、現在米国に住んでいます。

そしてチベットでは、民族文化伝統を抹殺しようとする動きが何十年も続いています。

昨年12月、中国西部にある四川省のチベット人居住地域では、地元当局が高さ約30メートルの仏像を取り壊しました。理由は、大きすぎるからというものでした。当局はまた、チベットの僧侶に像が破壊されるのを無理やり見させました。

〈字幕版〉

 
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