中国の電力制限の真の目的は

中国の多くの地域では現在、電力の使用を制限しています。例えば、長江流域では深刻な干ばつが続いていますが、ほかに別の原因があるのでしょうか? 水利専門家の王維洛博士に話を伺いました。

中国では猛暑が続き、干ばつが70日以上続いています。 特に、長江流域は過去61年間で最も深刻な干ばつに見舞われています。7月の降水量は前年同月比で40%も減少し、水力発電、輸送、秋の穀物収穫、工業生産などに深刻な影響が出ています。 雨季に干ばつが発生するのは、ダムにどのような影響があるのでしょうか?

ドイツ在住の水利専門家 王維洛博士
「雨季に干ばつが発生することについて、我々は降水量が少ないことと重なっていると見ています。 通常、6月から8月は雨季ですが、雨量が比較的少ない時期です。 水位が低いことについては、降水量が少ないことと関係があり、中国の貯水池の水の調節が誤っていること、長江上流に大量のダムを建設したことによる流量の減少と関係があるのです。

だから、一つ目の原因は、天候と関係があると言えますが、残りは人為的な原因によるものです。

今年5月、中共の洪水干ばつ対策指揮部は、洪水シーズンを迎える前にダムの水位を最低にするよう特別に通達しました。基本的に、ほとんどの大型ダムの水位は最低にしています」

今年の干ばつは、四川省の電力不足がしばらく続く可能性があるということでしょうか。 潜在的な影響という点で、懸念されていることはあるのでしょうか。

ドイツ在住の水利専門家 王維洛博士
「私の現在の計算では、水力発電が50%、火力発電が100%稼働し、風力発電はカウントせず、太陽光発電も省けば、四川省の電力は不足しておらず、最大の需要を十分に満たせると言えるでしょう」

では、なぜ四川省では電力規制を延長しているのでしょうか。 少なくとも、2回目の延長を実施しています。

ドイツ在住の水利専門家 王維洛博士
「中国は計画経済です。計画経済の特徴は『不足の経済(shortage economy)』であり、不足の経済は恐怖心を引き起こす必要があるのです。 昨年の電力制限は、電気料金を上げるためであり、今年も同じです。昨年は火力発電の料金を上げ、今年は水力発電の料金を上げるために電力の使用を制限しているのです」

 
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