両会に向けて中国共産党の動きが活発化するなか、分析筋は、両会は習近平氏が反体制派の粛清を続ける期間となるはずだとし、中共内部の派閥争いが激化しているといいます。
中国共産党国務院総理・李克強氏
「発展が第一急務、そして根本からの改革も必要、皆さん頼みますよ」
李氏は先月23日、財政部と発展改革委員会を視察し、その中で8回も「改革」について言及しました。立ち去る際にも再び「改革」を強調しましたが、官制メディアではこの話題について一切触れられませんでした。
時事評論家の李元華氏によれば、習氏と李氏は常に対立しているといいます。ただ、李氏が行き過ぎたことをしないのは、当局が足並みの揃わない人を容認できないことを知っているからであり、中共が権力を握っている限り、李氏の目指す改革に成果は生まれないといいます。
中共内部は皆、表面的な服従に過ぎず、派閥争いは今も続いていると見られています。
中央規律検査委員会書記の李希氏が、「刃の矛先を内側に向ける」と発言したその日、中共司法部長の人事異動を発表し、唐一軍氏が降格し、60歳の女性官僚、賀栄氏が後任に選ばれました。
唐氏と賀氏はともに習一族とされており、唐氏は浙江軍、賀氏は陝西軍の所属と見られていました。
今回の唐氏の降格と賀氏の出世は、習一族の各派閥による地位争いの結果であると見られています。
時事評論家・陳破空氏
「今や習一族が支配し、習近平が権力を握っているにもかかわらず、内部の権力闘争が早くから起こっています。習近平の任期が延びれば、喜ぶ人と悲しむ人が出てくるでしょう。中共の内部闘争は終わっていないし、これからも終わらないことと思います」
しかし、今や司法部長のポストは危険視されています。賀氏が就任する前の4人のうち、2人がすでに失脚しています。
分析筋によれば、中央規律検査委員会の役割である反腐敗は、かなり前から反体制派粛清のための政治的な道具になっているといいます。中共の言う「調整」とは、つまり人事整理のことを指すのです。
時事評論家・王赫氏
「中共はあらゆる面で腐敗しており、クリーンな所はありません。反腐敗に取り組んでいる中央規律検査委員会でさえ、内部は相当に腐敗しています」
時事評論家・陳破空氏
「中央規律検査委員会の人員整理は、二面性をもつ人、つまり習近平に対して反対派の人を追い出しています。つまり習近平がまだ安心できず、不安で仕方ないことを意味しています」
時事評論家の李元華氏によれば、両会前の当局の活発な動きは、中共内部の各派閥の争いが依然として激化していることを示しているということです。