中共の過剰な出国制限 = 人権団体最新報告

2日、人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が最新の報告書を発表しました。その内容は、中国共産党(中共)の「出国制限」が新たな人権抑圧の手段となっており、誰もが被害者になりうる状況だといいます。

今月2日、セーフガード・ディフェンダーズが最新の報告書を発表しました。報告書では、中共が国民の出国を禁止する取り組みを強化していることについて、中共の公式データや関連する法律、被害事例をもとに詳しく分析した結果が示されています。

報告書は、民族的な理由による数百万件の出国制限を除くと、完全な公式データがない中でも、出国制限が課されたケースは少なくとも数十万件あると推定され、さらにその規模は年々増加していると指摘しています。

「出国制限」というキーワードをもとに、中共最高人民法院の判例を検索すると、2016年には約5000件、そして2020年には約3万9000件と約8倍に増加しており、出国制限の件数が急増していることが浮き彫りになっています。

大紀元のコラムニスト・王赫氏
「中共がこうする目的は、社会全体を屈服させ、国民を奴隷化することです。 しかし逆を言えば、抑圧があるところには抵抗が生じます。つまり、中共がこうすればするほど、その本質が露呈するのです」

報告書ではさらに、制限の対象についても言及しており、人権擁護者や外国人、内紛関係者、少数民族などが含まれています。

また、習近平氏の就任以降、人権活動家に対する出国制限が厳しくなっており、2015年7月9日に起きた大規模人権弾圧である「709事件」で弾圧された郭飛雄氏なども出国を禁止されています。

また、中共の国境を越えた弾圧の一環として、海外に滞在するターゲットの人物の中国在住の家族の多くも人質にされ、当該人物が中国に帰国するよう脅す交渉材料として、出国を制限されています。

また、所属する企業が民事紛争に巻き込まれていることを理由に、中国からの出国を禁止されている外国人も少なくありません。

報告書では、出国制限が外国人ジャーナリストに対する武器になっていると指摘し、2018年以降、少なくとも4人の外国人ジャーナリストが出国を制限されました。

王赫氏
「中共は国民を、さらには一部の外国人を、自分たちの特定の政治的目的を達成するための一種の交渉材料として利用しているのです」

セーフガード・ディフェンダーズによれば、中共は2018年以降、出国禁止令の正当性を見出すために、少なくとも5つの法律を制定または改正し、出国禁止令を出せるようにしました。

王赫氏
「中共の法治は、まず民衆をコントロールするために用いられ、政府の思うがままで、ほとんど無法地帯も同然です。中共は人々に自分のいうことを聞くように強制し、そのために法の改正や制定をして国民をコントロールしています。先日の反スパイ法の改正をはじめ、多くの法律を作り、国民に一点の隙も与えないようにしているのです」

 
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