中国元最高権力者の孫婿に 懲役18年の有罪判決

中国元最高権力者の故・鄧小平の孫婿、呉小暉被告(51)が10日、懲役18年、私財105億元(約1813億円)没収という有罪判決を受けた。

呉被告は中国保険大手、安邦保険集団の元董事長(会長)兼社長で、今年2月、詐欺・業務上横領の容疑で起訴され、上海市第一中級人民法院(地裁に当たる)が10日、一審判決を言い渡した。

判決文によると、2011年からの6年間、呉被告は違法な資金調達で652億元(約1 兆1260億円)を集め、会社の資金100億元(約1727億円)を着服した。

呉被告は2004年ごろに鄧小平の孫娘と結婚したとみられ、後に安邦保険集団を創設した。同社の純資産は当初の5億元(約86億円)から10年後の7000億元(約12兆890億円)に膨らみ、業界二位に急成長した。

一部外国メディアの報道によると、昨年6月初旬に呉は中国当局に逮捕された。

今年2月下旬、中国保険監督管理委員会(保監会)は、詐欺罪で呉を訴追することを正式に発表した。

最高指導部に近い消息筋によると、’15年に起きた中国株価暴落は江沢民派が現最高指導者・習近平氏を失脚させるために仕組んだ「経済政変」で、呉は当時、江派に協力した一大資金勢力だった。呉の失脚後、鄧小平の孫娘はすでに呉と離婚し、鄧一族は習近平支持の姿勢を全面に打ち出して、呉への協力を完全否定している。

 
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