アサンジ被告の身柄引き渡しを英国が拒否 メキシコが亡命受け入れを表明

1月4日、ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ被告の身柄引き渡し問題が決着しました。英国の裁判所はアサンジ氏の健康状態を理由に、同氏の米国への身柄引き渡しを拒否しました。

ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏の支持者、サディア・コクニーさん
「ものすごくうれしい。ワールドカップで勝利したと思っている。これは勝利だ」

1月4日、ロンドンの「イングランド・ウェールズ中央刑事裁判所」はウィキリークス創設者、ジュリアン・アサンジ氏の米国身柄引き渡し要求に対する判決を下しました。ヴァネッサ・バライツァー(Vanessa Baraitser)裁判官は、アサンジ被告の精神状態を考えると米国への身柄引き渡しの後に米国の刑務所システム内で自殺する可能性もあるとして、被告の米国への身柄引き渡しを拒否しました。

この日、ウィキリークスのクリスティン・ランソン(Kristinn Hrafnsson)編集長とアサンジ氏のパートナーのステラ・モリス(Stella Morris)さんも法廷を傍聴していました。

アサンジ氏のパートナーのステラ・モリスさん
「今日はジュリアンの勝利だ。だが私たちは米国政府の起訴が取り下げられていないことを忘れてはならない」

49歳のオーストラリア人、ジュリアン・アサンジ氏が創設したウィキリークスは2010年から各国政府の機密文書を公開し続けています。これらの機密文書の内容のほとんどが、政府や政治家の内部情報に関わるもので、中にはイランやアフガニスタンにおける米軍の行動も含まれています。

スウェーデン政府は2010年に強姦罪でアサンジ氏を起訴し、国際指名手配を行いました。アサンジ氏はその年の12月に英国で逮捕されましたが、2012年の保釈中に駐英国エクアドル大使館に駆け込んで亡命を求め、7年間を過ごしました。しかし政権交代が行われたエクアドル政府が2019年4月にアサンジ氏の保護を停止したため、同氏は再度英国警察に逮捕され、収監されたまま今に至ります。

アサンジ被告の弁護士、ジェニファー・ロビンソン氏は、裁判官がアサンジ被告の身柄引き渡しを拒否しても、米国政府の告訴は認めているため、言論の自由と報道の自由の保護という見地からすると、今回の判決は勝利ではないと指摘しています。6日、アサンジ被告の弁護士は保釈を申請する予定です。

米国司法省はスパイ罪と政府コンピューターへのハッキングを奨励した罪により、アサンジ氏を起訴し、米国への身柄引き渡しを要求しました。有罪判決が下された場合、最高で懲役175年が課される可能性があります。米国政府はすでに英国裁判所の判決に対し控訴することを決定しています。

アサンジ被告のパートナーと姉は再度、米国大統領にアサンジ被告に特赦を与えるよう呼びかけました。昨年12月、アサンジ被告本人もトランプ大統領に向けて赦免を要求しています。

メキシコのロペスオブラドール大統領はこの日、メキシコ政府はアサンジ被告の亡命受け入れ準備があると表明しています。

 
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