上海DLで少年が「くまのプーさん」にパンチ

中国版SNSでトレンド入り後検閲

最近、中国のソーシャルメディアで「くまのプーさん」がトレンド入りしました。中国のソーシャルメディアプラットフォーム微博(ウェイボー)だけで、プーさんに関連した動画が1億回以上再生されました。しかし、このニュースは直ちにトレンドリストから削除され、ページの表示もできなくなりました。また、関連するコメント欄も閉鎖されました。中共政権は、くまのプーさんに対して神経を尖らせています。その理由は、中国の多くネットユーザーが、同キャラクターを習近平総書記の婉曲表現として用いているためです。

ネット上での同トレンドの発端は、上海ディズニーランドのある少年の行為からでした。少年は先日、くまのプーさんの着ぐるみを着た従業員の腹部を数回パンチしました。多くの中国メディアがこれについて報じましたが、どのメディアも「くまのプーさん」との名称の使用を避け、「パフベア」と呼んでいます。

「くまのプーさん 」は、2013年以降中国における「敏感なワード」の一つとなっています。中国のネットユーザーは、習近平総書記とオバマ元大統領が並んで歩いている写真を、「くまのプーさん」とその友達の「ティガー」になぞらえました。

中共当局は、「くまのプーさん」の名称を検閲するだけでなく、中国のすべてのソーシャルメディア上からプーさん関連の写真を削除しています。中国共産党は、くまのプーさんが登場する2018年のディズニー実写映画「クリストファー・ロビン」も上映禁止にしましたが、その理由について説明していません。

中国のポータルサイト「捜狐(そうふ)」の元メディア関係者で、現在米国在住の李茂君(り・ぼうくん)さんは、2020年に新唐人の取材を受けた際に、中国のソーシャルメディア上で自身のプロフィール写真にプーさんを使っていたが、友人らはそのプロフィール写真を見ることができなかったと明かしました。

李さんは新唐人に対して、以前中国メディアで勤務していた頃、中共宣伝部からは毎日のように禁止令が出され、報道内容をフィルタリングするように指示されていたと語っています。メディアが政府の要求を満たない記事を掲載した場合、その記事は削除されるか、ウェブサイト自体が閉鎖されることになるといいます。

 
関連記事