河南省の武術学校で大規模火災 「子供を返せ」

6月25日の深夜、河南省商丘市(しょうきゅうし)柘城県(しゃじょう-けん)にある武術学校「震興武館」で火災が発生しました。中共メディアは死亡者18人、負傷者16人と報じましたが、この数には疑問が残ります。死亡した子供の家族は26日、地方政府の門前で「(子供が)生きているなら会いたいし、死んでいるなら遺体と対面したい」と書かれた横断幕を掲げてデモを行い、当局に真相を究明するよう求めました。現場では多くの人が泣き叫ぶ様子も見られました。

6月26日、河南省の武術学校「震興武館」で発生した火災で焼死した子どもの親が、鎮政府の前で抗議活動を行いました。「震興武館、子供を返せ」と書かれた白い服を着た女性の後ろには、「(子供が)生きているなら会いたいし、死んでいるなら遺体と対面したい」と書かれた横断幕を掲げて立っているたくさんの保護者の姿が見られます。

鎮政府の入り口を大勢の警備員がとりかこむ中、親たちはその前で拳を振り上げて「原因を究明しろ!子供を返せ!」と声をあげました。

「震興武館、子どもを返せ!震興武館、子どもを返せ!」

鎮政府から何の回答も得られなかった保護者数十人は、横断幕を掲げて「震興武館、子供を返せ!」と叫びながらデモ行進を行いました。ネット上に投稿された写真では、複数の親が悲しみのあまり、抗議現場で倒れました。

また、複数の親が病院に運ばれて応急手当てを受けている様子を撮影した動画も公開されました。

6月 25日深夜3時ごろ、震興武館で大規模な火災が発生したことが今回のデモの理由です。この火災により18人が死亡、16人が負傷し、死傷者の年齢は7歳から16歳だったと報じられました。26日にこの件で政府関係者4人が免職となったと報じられましたが、家族は子どもの遺体を確認できていませんでした。

この火事で一人っ子をなくした趙さんは、子供たちは武館の二階で眠っており、学校は夜になると部屋の外から鍵をかけるため、20人余りの子どもたちが焼死してしまった。その中には10歳になる趙さんの子どももいたと話しています。

この火事で一人っ子をなくした趙さん
「2時過ぎに失火し、3時過ぎに警察に通報した。大人は一人もいなかった。なぜ彼らはドアに鍵をかけたのか。これは殺人ではないのか。30人以上の子供がいて、背丈がちょっと大きい7人は窓から飛び降りて、軽いけがで済んだ。残りの子たちは重傷を負ったか命を落とした。私の子供は以前に、『体をたくさん動かした子供はすぐにお腹がすくから、子供に食べ物を盗まれないよう、学校はドアに鍵をかけるのだ』と話していた」

6月26日、保護者数十人はデモ行進を行った後に、ようやく子供の遺体との対面を果たしました。27日、地方政府職員は被害者の家族に賠償協議を行って署名するよう迫りましたが、家族は事実を明らかにし、納得のいく説明が欲しいと要求しました。

趙さん
「こんなにたくさんの子供が焼け死んだのだから、納得のいく説明が欲しい。現在、(親たちが結束するのを恐れて)各家庭を別々のホテルに泊まらせている。病院にいる人もいれば、ホテルにいる人もいる。今の具体的な状況はまだ分からない」

趙さんは、「27日に子供の遺体と対面したが、その姿は変わり果てていた。当局は現在、武術学校の失火に関する情報を封鎖してしまった。TikTokに投稿された親たちのデモ行進の動画も見られなくなった」と話しています。

 
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