反戦勢力粛清か 中共ロケット軍の大規模な人事異動

8月1日を前に、習近平主席はロケット軍の2人の上将を昇格させ、軍の大粛清を行っているとの噂を裏付けることとなりました。分析筋は、習近平の内部粛清がエスカレートするにつれ、軍内部に大きな不満が生じ、軍事クーデターの可能性が出てくると話しています。

近ごろ、ロケット軍上層部の粛清に関する噂が後を絶ちません。8月1日を前にして、習近平はロケット軍司令官の王厚斌氏や政治委員の徐西盛氏を昇格させ、前司令官の李玉超氏と前政治委員の徐忠波氏が事実上の降格となったことが間接的に示されました。

中国の法学者 袁紅冰氏
「これはロケット軍上層部全体の崩壊を意味し、総じて粛清に遭っているということです」

袁紅冰氏は、現在、中共内部で台湾侵攻に関して少なくとも2つの考え方があると分析しています。 習近平の考えでもある「遅いより早いほうがいい」とする意見もあれば、「今が開戦のベストタイミングではない」と考える軍幹部もいると話します。

袁紅冰氏
「そのため、軍内部では開戦に反対する声も上がっています。 習近平は、このような発言は党の指導に反しており、軍内部の人々の心を揺さぶる可能性があると考えています。特に、幹部のこのような考えを許すべきではないとし、粛清する必要があると考えているようです。これらの人が汚職をしているなどと言っているのは、すべて粛清をするための口実です」

また、この粛清は、習近平が「独裁者の危機」に陥り、周囲に対して極度の不信感を抱いている可能性を否定できないと分析する声もあります。

在米経済学者 李恒青氏
「現在、この件に関わる副司令官以上の幹部が7人いると言われています。これほどまでに多くの人々が団結し、機密をリークしているのです。だから私は習氏が、軍のメンバーに対して、中には自分が選んだ人々に対しても警戒心を抱いており、いつ自分の敵になるのかと不安を感じているのだと考えています。 習近平のこの行動の核心はここにあると思います」

同時に注目したいのは、昇格した人の中でも、王厚斌氏は元海軍副司令官で、徐西盛氏は元空軍の南方部隊政治委員であり、軍を超えた異動であるということです。

李恒青氏
「ロケット軍は世界で最も技術的に進んだ軍隊のひとつです。しかし今は、ロケット軍の外から将官を連れてきて、ロケット軍の将来を託しているようなものです。つまり、これは『近親交配』を避けることが目的かもしれません。一方で、部外者が指揮を執ることになるので、短期的には、双方に相容れない部分が出てくることになるでしょう」

袁紅冰氏
「習氏は戦争や台湾侵攻に反対する勢力を排除しようとしており、こうした人々を標的にしています。だからこそ、ロケット軍内部から司令官や政治委員を再登用することはできないのでしょう」

習近平氏の大規模な粛清は、台湾侵攻の作戦を確実に遂行するためだと分析されています。しかし、この大規模な粛清は軍内部に不満を生むに違いなく、粛清がエスカレートすればするほど、軍事クーデターの可能性が高まるばかりです。

袁紅冰氏
「中共幹部の習氏に対する不満は、国民の習氏に対する不満に全く劣りません」

李恒青氏
「通常、戦争が始まる前に大将を切るというのは、軍隊ではタブーとされています。そのため、当然、軍内部には否定的な感情が生まれるでしょう」

「軍部内の大規模な粛清は始まったばかりであり、おそらく今後も続くでしょう。そして、もっと度合いを増す可能性さえあります。なぜなら、習氏はますます不安になっているからです」

 
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