中共の監視社会を風刺したアニメ 香港人が共鳴

中国を逃れ、現在は米国・ロサンゼルスに住む中国人アーティスト、ユーチューバー「一隻土撥鼠(MrMarmot)」さんが、中国共産党(中共)管理下のさまざまな監視状況をシミュレーションした最新アニメーション『賽博反賊2077』を制作しました。いくつかのシーンは、香港の民主化運動の実際の写真に基づいており、自由を擁護する香港人への敬意を表しているとして、香港人の心に響きました。

米国在住のユーチューバー「一隻土撥鼠」さんの最新アニメ『賽博反賊2077(サイバー反賊2077)』は、中共支配下の仮想世界で、人々の生活は大規模な監視下に置かれ、言論の自由や表現の自由は社会的信用度によって管理されている光景を表しています。

YouTubeアニメーション『賽博反賊2077』
「とにかく、今はすべてが監視されています。私たちは皆、裸にされているようなものです。カメラの前で何か反動的なことを言ったとしても、彼らはそれを改ざんして自分たちの思い通りにできるのです」

「ウォジャクさん、発言には気をつけてください。この辺りにはカメラがたくさんあります」

「ネガティブな発言をすると、信用度が10ポイント減らされ、バスに乗る権利を失うでしょう」

エピソードの最後では、体制に対し、不満の限界に達した人々が立ち上がるものの、当局によって弾圧されました。映像の一部は、2019年の香港民主化運動の実際の写真から撮影されたものです。アニメーションがアップロードされてから3日間で、41万人の視聴者を集めました。

「私は香港人ですが、本当に涙が出ました。当時の記憶と痛みは決して忘れられません。このような不公平は今も続いています」とのコメントや、「中国本土の人間として涙が出ました。香港の人々のことを思うと胸が痛みます。台湾の人々が最後の純粋な土地を守り続けることを願います」などのコメントもありました。

このアニメーションの制作者は上海出身の中国人画家で、現在はロサンゼルスに住んでいます。彼のアニメ映画『小粉紅の一生』は、台湾の人気映画『山道猴子的一生(山道を駆けた若猿の一生)』をモデルにしたものです。中共に洗脳され、党を愛するようになった中国の若者たちが、深刻な失業率や財界と政府の癒着、中共による「ニラ狩り」などに最初は見て見ぬふりをしていましたが、最終的には現実とその体制の犠牲者となっていく様子を風刺しています。

YouTubeアニメーション『小粉紅の一生』
「最近本当についてない。二つの仕事が給料を払ってくれないんだ。これって明らかに人をいじめる行為だよね。中国は法の外にある場所じゃないんだから、正義を守るために、投稿して彼らを暴露しないと」

このアニメは2週間で140万回の再生回数を記録し、両岸で激しい議論を巻き起こしました。一部の中国のネットユーザーは、「あまりにも現実的すぎる」とし、より多くの「ニラ(庶民)」が現実を認識できるようになることを望んでいます。

 
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